人生を豊かに彩るWEBマガジン

メイクアップアーティスト・田中昭子の「輝き方」

63歳——横顔の美しさを追求する

連載 輝き続ける女性たち 2023.7.10

取材・文:神宮 遥

「1人ひとり顔の骨格、肌、つくりが違う。誰しも 自分という色を持っているんです」

 

40年以上にわたり、美容業界で活躍するメイクアップアーティストの田中昭子さん。自分らしく、個性を生かすことを意味する「桜梅桃李」の言葉を大切に、個性を引き出すメイクを行い、これまでのべ1万人以上に美容の楽しさや奥深さを伝えてきました。そんな田中さんの「輝く」秘訣を伺いました。

 

“その人らしさ” を生かしたメイクを施す

──SNSを拝見して、「誰にでも自分という色がある」というフレーズが素敵だなと思いました。田中さんのメイクをする上でのこだわりはなんでしょうか。

田中:ありがとうございます。「今の私、ちょっと素敵だな」と思っていただけるようなメイクアップをさせていただくというのが1つです。

もう1つはその方の印象をよくしたいなと強く思いますね。その方の「なりたい姿」を一番大切にしていて、例えば、エレガントに優しい、かっこよく……など、いろいろな見せ方がありますよね。その方のなりたい姿をヒアリングして、それをもとにどの部分を引き出すかを考えるんです

 

骨格に合わせたメイクアップを行う田中さん

そのとき、顔の骨格は無視できません。しっかりと骨格に似合わせて、目元にアイシャドウを乗せて、アイラインを引いていきます。人それぞれ顔の骨格、肌、つくりが違う。1人ひとりに色があるんです。あとは眉の描き方もポイントですね。

──眉を整えると、がらりと印象が変わるなんて言いますよね。

田中:そうですね、メイクって絵画なんですよ。絵画では奥行きを表現しますよね。どうしてもわたしたちは正面からみた姿にとらわれがちですが、実は横顔も大切なんです。女性の横顔を見たときに、眉山からの奥行きが感じられて、立体感が出るメイクをするのがこだわりです

──横顔はあまり意識したことがありませんでした。正面と横から見た顔では、印象が異なるのですね。

田中:はい。「ベースラインがとても綺麗なのに、奥行きが出ていなくてもったいないな」と感じることもよくあります。正面からの顔のつくりはもちろんですが、横顔が美しいとさらによいですよね。メイクの力で、その人のよさを引き出すお手伝いができればと思います。

──なるほど、ほかの方にメイクするときと、田中さんご自身にメイクされるときでは違いはありますか? どのようなことを意識されているのでしょうか。

田中:私自身の顔にメイクするときは、「色の冒険」をしていますね。自分の顔に描いて、なんでも試してみるんです。「ここまで濃く描いたら違うな」とか、「今度はこれを使ってみよう」といった具合です。ときには、宝塚風メイクにもチャレンジするんですよ。

──宝塚風メイクまで! さまざまなことに挑戦されているご様子が伺えます。メイクアップアーティストとしての活動の原点やきっかけについて教えてください。

田中:クレヨンやクレパスってありますよね。そのなかに1つだけ、カタカナで書かれている色があったんですよ。それがビリジアン、緑だったんですね。そのときに、「なんでひらがなじゃないんだろう?」と疑問に思ったんです。色にはすべて名前があるということにすごく興味を持ちました。

そこから色が大好きになって、色を1つ足すだけで印象が変わるメイクも大好きになりました。子どものときに、ちょっと背伸びをしてみたくなることがあるじゃないですか。口紅を塗ったら、ちょっと大人になったような感覚。きっと、小さいころから化粧品が好きだったんだと思います。

例えば、美容室に行って、髪を切りすぎてしまったとしますよね。伸びるまで時間がかかることもありますし、落ち込むじゃないですか。けれども、メイクは失敗しても落とせばすぐに元通りになります。次にメイクしたら、もっとよい仕上がりになるかもしれません。色の入れ方次第で見せ方を変えることのできるメイクは「錯覚の世界」だと思っているんですよ

よい香りを纏って1日をはじめる

──田中さんの普段持ち歩いているものや、欠かせないものを教えてください。

田中:1つはフレグランスですね。お気に入りはDolce&Gabbanaのザ・ワン ザ・オンリーワン オードパルファム トラベルスプレーです。ちょっと甘めの香りがしますね。香りは毎日違うものを選んでいます。自分に気合を入れるときはGUERLAINのネロリ ウートルノワ―オーデパルファンを使います。

 

田中さんが持ち歩いているもの。左からDolce&Gabbana、epiphany、波動水

──田中さんからいい香りがするなと思っていました(笑)。フレグランスを2つ持ち歩いていらっしゃるんですね!

田中:これです。ルビーとカーネリアンを使ったepiphanyのルートチャクラオイルです。「私は私」という意味を持つのですが、この言葉も気に入っているんです。『私は私 超訳ココ・シャネル』(泰文堂)という本もありますよね。

──自分らしさを大切に日々過ごされているのですね。こちらのボトルにはなにが入っているんでしょうか。

田中:波動水と呼ばれるものです。ネガティブなエネルギーを取り除いて、気持ちを落ち着ける効果があると言われています。自然に咲くお花や植物からつくられるバッチフラワーレメディーをブレンドしたものを、お水に入れて飲んでいます。飲んだからといって、必ずしもなにかが変わるとは限らないですが、ほっとできるんです。心に余裕ができれば、まわりの人にも優しくなれますよね

──優しいお人柄の理由がわかりました。とても精力的に活動されている田中さんですが、息抜きにどのようなことをされているのでしょうか。

田中:部屋の模様替えですね。部屋にはお気に入りのものを置いているのですが、その配置を考えることが好きです。絵の配置を変えたり、いろいろ試していますね。私は、一度気に入ったものは、ずっと大好きなんです。

──素敵なものに囲まれて過ごされているのですね。

田中:はい。かといって、必要以上に新しいものを手に入れていないんですよ。そのときに気に入ったものを好きなように置いています。センスは天性のものではなくて、磨くものなんですよ。センスは環境でつくられると思っています

 

自分を褒めてあげる習慣を

──60代を駆け抜ける方々に、どのようなことを伝えたいですか?

田中:人生100年時代と言いますよね。毎日を丁寧に生きるためにも、自分自身のことを「好き」って言ってほしいし、顔や肌を大切にしていただきたいですね

頑張り時ってあるじゃないですか。うまくいかなくて落ち込んでしまったときに、毎日自分の顔を見て褒めてほしいなと思います。「私、今日頑張ったね」と

メイクも同じです。ちょっとでも気を配っていただければ。「さあ、今日も元気に笑顔をいっぱい持とう!」と思って、お洋服を着る、メイクをする、フレグランスを纏う。そうしてはじめて一歩が踏み出せると思うんです。

 

「自分自身のことをしっかりと褒めてあげてください」と田中さん

メイクをルーティンにしてしまわずに、「今日はどんな眉を描こうかな」「眉はどこから描いたらいいかな」と考えてみる──そうして、少しでも自分に興味を持ってあげれば、シャキッとして元気に過ごせると思うんです。みなさんにも自分自身をしっかり見て、労わってあげてほしいなと思います。

イベント予定
ミラクルマンデー講座
会場:福岡市内
会期:2023年秋ごろ(詳細は田中さんのインスタグラムで公開)
URL: https://www.instagram.com/akiko__beautyart.lab__2022/

コメントを投稿する

コメントを投稿する

コメントをするには、会員登録/ログインが必要です。

この記事をみんなに伝える

ボタンクリックでシェア

ZIELのSNSをフォローしよう

  • twitter
  • facebook
  • line
この連載の記事一覧へ

まだデータがありません。