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【島崎真代さん・67歳】 YouTubeで素敵な同世代女性を発信する

60歳からでも新たに輝き出せる!

連載 60年、酸いも甘いも讃えたい 2021.6.12

取材・文:出口夢々

60年生きた女性にはいろいろな人生がある。そして、女性一人ひとりはそれぞれ自分の人生を背負い、生きている。若くして家庭を持った人、働きながら子どもを育てた人、社会で戦い抜いた人――。そんな女性たちが経験した、人生の「酸い」も「甘い」を紹介する連載企画「60年、酸いも甘いも讃えたい」。

第8回目は、神奈川県横浜市にお住いの島崎真代さん(67歳)にインタビュー。42歳で経験した離婚や、60歳を超えての敬愛してやまない人との出会い、YouTuberとしての現在の活動について話を伺った。

 

神奈川県横浜市にお住まいの島崎真代さん。67歳にしてYouTubeチャンネル「VIVA 美婆チャンネル」を開設し、チャンネル登録者数は1600人を超える。ほかにもInstagramではスカーフやストールを用いたヘアアレンジ「ターバンアレンジ」を中心としたファッションスタイルを発信し、同世代の女性から支持を得ている。

島崎さんがファッションに興味を持つようになったのは、大学に進学してからのこと。当時刊行されていた『mc Sister』(婦人画報社、現:ハースト婦人画報社)を読み込み、ファッションを真似していた。

「当時、アイビールックが流行っていたんです。ブレザーを着て、女の子もネクタイをして。ボトムスはチェックのプリーツスカートを履いて、足元はローファーで決めて。全身揃えるのにもお金がかかるし、プリーツスカートもいろんな色のものが欲しいから、アルバイトをしていました。おしゃれが楽しくて楽しくて仕方がなかったんです。だからアルバイトもお洋服の販売で、東急デパートや銀座三越で働いていましたね」

学生時代はおしゃれとアルバイトに勤しんでいた島崎さん。大学卒業後はすぐに結婚し、二児の母となる。

お勤めしないまま結婚し、専業主婦になったので、社会と断絶した暮らしを送っていました。お料理学校に通ったり、PTAをやっていたりもしたけど、家では子育てと家事しかしてなかったので、社会はテレビを通して知るものだったんですよね。なので、42歳で離婚してからは苦労しました」

島崎さんが42歳のとき、20年連れ添った夫と家庭の事情で離婚。子どもは島崎さんが引き取り、実母と協力して子育てをする日々が始まった。

子どもを養い、育て上げるためにとにかく働いて働いて。20年間も家で守られてきたから、それはもう大変でした。だって、42歳にもなるのに電話の取り方やパソコンの使い方もわからないんです。アルバイトはしたことがあったけど、正社員とは仕事の量や責任が異なりますから、苦労しました。慣れないことをやるのが大変でしたね」

「私が働いているあいだ、子どものことは母が見てくれていて。衣服関係の仕事に就けたので、仕事に慣れたらとても楽しかった。まわりの人は、優しくて、いい人ばかりでしたしね。あのころのことは詳細に思い出すと『大変だったな』と思いますが、社会に出て楽しいなと感じたことも強く印象に残っています」

そうして2人の子どもを無事に育て上げた島崎さん。過去を振り返りながらも「今が一番楽しい」と語る。というのも、3〜4年前から気の合う友人が増えたのだ。そのきっかけは「グレイヘア」だった。

「白髪染めを繰り返していたら、あるときから髪全体が細くなって、生え際が後退してきちゃったんです。今でこそ『グレイヘア』という言葉が浸透していますが、日本では『白髪=染めるもの』という固定観念が根強いですよね。同世代の女性たちと話していても『肌がすごく荒れちゃったわけではないなら、少し生え際が後退してるくらいで白髪染めをやめるべきではない』と言われて。確かに、黒髪か白髪かの二択で考えたときに、『どちらのほうが若く見えるか』と聞かれたら黒髪になりますし、白髪染めをしていないとだらしない女性だと思われてしまう。でも、白髪染めを続けていたら、いずれ、髪が薄くなってしまうかもしれない——。そんな葛藤がずっとありました」

葛藤しながら考えた末、「女性にとって髪は命」だと思った島崎さん。髪を残すために白髪染めをやめることにした。

「白髪染めをやめてから3、4カ月——髪が3〜4cmくらい伸びて、白髪の部分がベルトのようになってきたときが一番つらかったですね。つらい時期の乗り切り方は皆さん異なると思うのですが、私は白髪染め用のトリートメントを塗ってごまかしていました。トリートメントだから染め粉よりも肌に優しい気がしたんです。そうやってごまかしごまかし伸ばし続けたら白髪部分が10cmくらいになりました。ちょうど、耳のラインまで白髪で、その下は以前染めた成分が残っているから黒髪になっていて。そんな私の姿を見た娘が、『今、流行りのツートンカラーをしているみたいだね。みんなお母さんのこと、おしゃれな年寄りだと思うんじゃない?』と言ってくれたんです

娘さんの一言がきっかけで、白髪姿の自分をポジティブに捉えられるようになった。また、白髪染めをやめたことで髪の生え際から毛が生えるようになり、後退が止まった。グレイヘアになった島崎さんは、白髪を染めないナチュラルヘアを目指す人を応援するコミュニティ「グレイヘア東京」に出合う。

「インターネットで『グレイヘア』と検索したら、グレイヘア東京がヒットしたんです。そのサイトを見ていたらお食事会が開催されるとわかって。一人でどこかに参加するのは苦手なタイプだったんですけど、そのときは『ちょっと行ってみようかな』と思って参加しました」

「いざ行ってみると、みんな、とってもおしゃれ! 私もおしゃれが好きだから話も合うし、グレイヘアという共通の悩みを抱いている同志というか……。楽しかったんですよね。なかでも、神戸からいらしていた方と意気投合しちゃって。話の最中「神戸にいらっしゃいませんか」と社交辞令で言ってくださったんですけど、私はその言葉を真に受けてしまって、後日、神戸に行っちゃったんです(笑)。それまで一人旅なんて一度しかしたことなかったのに」

グレイヘアになり、グレイヘア東京と出合うことで内向的な性格が変化したと語る島崎さん。神戸に住むグレイヘア友達に連れられ、芦屋にあるシフォンケーキが評判のカフェ「ラ・スリーズ」に足を運んだ島崎さんは、運命的な出会いをする。

「ラ・スリーズでマダム・チェリーさんにお会いしたんです。もう一目惚れ。心がズッキーンと撃ち抜かれてしまったんです

マダム・チェリーの愛称で親しまれ、その素敵な歳の重ね方にファンが多い福安千恵子さん。ラ・スリーズのオーナーを務めるほか、70歳からはモデルとしても活躍し、本も出版している。

「それから4回も神戸に足を運び、行ったら必ずラ・スリーズにも立ち寄って、チェリーさんに会いました。先日は、なんとチェリーさんに誘っていただいて、2人きりでお食事ができたんです。待ち合わせ場所で待っているあいだ、ドッキドキでした。初デートで男性と待ち合わせするときよりも緊張したんじゃないかしら(笑)。心臓はトントントントンとすごいスピードで鳴っているし、顔は紅潮しちゃうし、『何を話そう』『退屈させないためにどうしよう』と、まるでホストの男性気分でチェリーさんを待ちました」

「チェリーさんは何もかもスマートな振る舞いをされるんです。食事の最後にデザートがついていたのですが、胸いっぱいだった私はそれを断って、チェリーさんだけが召し上がったんですね。そうしたら、写真を撮るときに『あなたもこのケーキを手元に置いて写真を撮ったら』と、ご自分のケーキをさっと差し出してくださったんです。その心遣いがすばらしいですよね。食事を終えた後、チェリーさんがお手洗いに向かわれたから、『このうちにお会計を済ませよう』と思ってボーイさんを呼んだんです。そうしたら、『今、チェリーさんが払われています』と言うんですね。きっとチェリーさんはお手洗いでなく、お会計のために席を立たれたんでしょう。別れ際も、チェリーさんから『一緒に写真を撮りましょう』と声をかけてくださって。相手の立場に立って気持ちを考えられる、とってもやさしい女性でした」

マダム・チェリーさんに魅せられ、ファッションや振る舞い方を学んでいる島崎さんは「いくつになっても勉強することがある」と語る。

「いろんな人に会うと知見が広がり、いろんな勉強ができます。ですので、今後は新型コロナウイルスの流行拡大が収まり次第、全国にいる会いたい人を訪ねて、動画を撮って、YouTubeに載せるのが夢なんです

マダム・チェリーさんのファッションを真似る島崎さん。VIVA 美婆チャンネル「#32 憧れて神戸 マダムチェリー🍒さんのコピー画像まとめ これからもやります😅!」

2020年11月に始めたYouTubeチャンネル「VIVA 美婆チャンネル」では、「素敵なシニアから綺麗の秘訣を学び隊」と概要欄に記されている通り、島崎さんが素敵な友人たちに「どうしてそんなに素敵でかわいいの?」と訊き、対談形式で語られる動画が更新されている。企画だけでなく、編集も島崎さん自身が行い、アップロードしている。

「今の暮らしでの楽しみは、YouTubeとInstagramとFacebookなの。そこで知り合ったり見たりしている人に会いたいかな。もちろん会ったことはないんだけど、投稿を見ていると旧知の仲であったかのように親しくなれるし、いただくコメントの言葉遣いで『この人とは仲よくなれそうだな』と、ピンとくる人もいるんです。そうすると『直接会って、お話ししてみたいな』『一緒にYouTubeを撮りたいな』と思うんです」

島崎さんは目を輝かせながら続ける。

「この歳になると、時間があっという間に流れてしまう感覚があるんです。7日間が3日間くらいに感じるの。自分の健康寿命を80歳と仮定すると、それまであと13年。でもきっと体感では6、7年くらいに感じてしまう。そう思うと悲しいけど、せっかく60歳を超えてできた友人たちに会えるよう、健康に気をつけて、いろんな人に会いに行きたいです。そして、『なぜこの人は、こんなに素敵なのか』を掘り下げて、動画で発信していきたいですね

  1. 麻ちゃん

    ShimazakiMasayoさんにのYouTubeに出会って、グレイヘアになった自分は何を着たら良いのか分からないし、洋服も制服化しようかと考え、人生片付け始めてたのが一転❗まだまだ楽しもう❗楽しめるんだと考えるようになりました。とても影響を受け、ワクワクさせて頂いています。なので、この記事を読むことができてとても嬉しかったです。ありがとうございました。

    • 出口夢々(ZIEL編集部)

      島崎さんにお話を伺ったときに「人は何にでもなれる。それに年齢は関係ないのよ」と言っていただいたことが、強く印象に残っています。それを体現されている島崎さんはとてもかっこいいですよね! 私も島崎さんに出会って、臆さずに、いろんなことにチャレンジしようと思えました。記事を読んでいただきありがとうございました!

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