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同居する夫が、息子・娘が新型コロナウイルスに感染!? どう対応する?

60歳のためのコロナ対策――東京都医師会・副会長に聞く

特集 ウィズコロナ時代を楽しく生きる 2020.9.07

取材・文:花塚水結

連日報道されている新型コロナウイルスですが、コロナウイルスには種類があることをご存知でしょうか? 現在、日常的に人に蔓延しているコロナウイルスは、4種類あります。普段、病院で「風邪」と診断される10〜15%(流行期には35%ほど)は、この4種類のコロナウイルスへの感染によるものです。今世界的に流行している新型コロナウイルスは、それらの仲間となります。

そんな「脅威」にさらされている日常にあって、いつ身近な人が新型コロナウイルスに感染してしまうのか、わかりません。
では、家族やまわりの人が感染したときの対応はどのようにすればよいのでしょうか。特に60歳を超える方たちは感染すると重症化するおそれが高く、細心の注意が必要です。
そんな「もしも」に備えて、東京都医師会副会長の角田徹先生に、家族が新型コロナウイルスに感染したときの正しい対応と、その後の生活で気をつけるべきことを聞きました。さらに、これから流行するインフルエンザ対策も合わせて教えていただきました。

 

Q.家族がコロナウイルスになった場合、どのように対応すればいい?
A.濃厚接触者である自分の体調管理をしましょう

通常、同居している家族がコロナウイルスに感染した場合、同居している家族全員が濃厚接触者となります。ですから、家族の感染が判明した場合は、まず自分の体調管理をすることが大切です
感染者となった家族が心配な気持ちもあるでしょうが、重症化しやすい60歳以上の方や持病を持っている方は、原則病院への入院や、ホテルでの療養が必要になります。保健所の指示に従いつつ、感染者本人と相談のうえで判断し、行動するようにしてください。

家族の感染が発覚したときの行動フロー

1.家族が感染したことがわかった!
2.感染者は療養先を決める。家族は保健所からの連絡を待ち、PCR検査を受ける
3.結果が出るまで外出を控え、体調管理をする
4.陽性→保健所や病院の指示に従い、療養先を決める
陰性→念のため、1週間〜10日は外出や他人と接触する機会を控える

 

Q.濃厚接触者はPCR検査を受けられる?
A.受けられます

原則、濃厚接触者に認定されると保健所から連絡が入り、PCR検査を受けてもらうことになっているので、検査は受けられます
ただし、現在は感染者が多いため、すぐに受けることができない場合があります。保健所の混雑具合によって、家族の感染が判明してからPCR検査が受けられるまでに1日~3日程度期間が空くこともあります。
また、保健所の指示による検査は無料です。症状が出たり、医学的に検査が必要と医師が判断した場合は、医療保険の対象として早く検査を受けることができます。ちなみに、接触の機会がなく症状もない方で、医療的な必要性がないような場合は自費での検査も可能ですが、3万〜4万円の費用がかかります。

 

Q.濃厚接触者になって、PCR検査を受けられるまでに期間が空いてしまった。その期間の外出はどうすればいい?
A.感染している可能性を考え、外出は控え、他の人と接触しないようにしましょう

濃厚接触者は感染が疑われている状態なので、基本的には家の中で過ごし、他人と接触する機会をなくすことが大切です。ただ、ご夫婦2人などで生活していて、周りに頼れる人がいない場合、生活を維持するために必要なものを買いに外出せざるを得ないこともあるでしょう。
そうした場合、症状が出ていなければ、しっかりとマスクをして短時間で必要最低限の外出とし、ほかの人とは2m以上の距離を保つようにしましょう。

 

Q.家族が全員陰性だった場合は、外出しても問題ない?
A.1週間程度は外出を控えるのが望ましいです

「偽陰性」といって、本当はウイルスに感染しているにもかかわらず、陰性判定が出ることがあります。ですから、検査結果が陰性である場合でも安心はできません。結果が出てから1週間~10日程度はできるだけ外出を控え、他人との接触はせず、自分の体調管理をするとよいでしょう
また、家族が複数いる場合は、感染者本人と接触する人と、外出する人に分けるなどの対策をします。

 

Q.感染した家族が自宅療養に……! 何に気をつけて生活すればいい?
A.家族内の感染防止を徹底します

自宅療養となった場合は、家族内の感染を防ぐために、家庭内での予防を徹底します
まず、感染者と家族が使用する部屋を分けていただくことが原則です。家のなかでもマスクをし、換気を心がけて、感染者本人との接触は最低限にしてください。

お風呂やトイレなど家族の共有スペースは、本人が使用した後、十分な換気と水洗いをしましょう。過度な対策は必要ないですが、お風呂であれば感染者は最後に利用するなどの工夫が必要です。自宅にお風呂やトイレが2カ所ある場合は、本人とそのほかの家族で分けましょう。
洗濯物については、感染者の衣類と一緒に洗っても問題ありません。ただし、洗濯後は天日干しや乾燥機にかけてしっかりと乾燥させることがポイントです。

ごみ出しは家庭ごみであれば、通常どおりで問題ありません。ただし、ごみ箱は感染者と家族で分け、捨てる際はしっかりと密封し、捨てましょう。ごみに本人の唾液などがつくことも考えられますので、密封作業は感染者本人が行うなどの工夫が必要です。

唾液などがつく場所は、1日に何度かアルコール消毒をしてください。また、唾液がつく(飛沫が飛ぶ)場所だけでなく、感染者が唾液のついた手で触った箇所を触ることでも感染します。ドアノブや冷蔵庫の取っ手など「手で触る場所」の消毒も必須です。

そのほか、健康観察として、毎日朝晩熱をはかり、症状の変化を確認して保健所に現状報告しましょう。この健康観察は感染者本人はもちろん、家族の方もチェックしておくと安心です。

 

Q.感染を防ぐために、外出する際の予防はどうすればいい?
A.感染しやすい環境を避けること、つくらないことです

マスクやアルコール消毒、3密(密閉・密集・密接)を避けることが予防の大前提です。
新型コロナウイルスは、飛沫感染と接触感染によって感染するとわかっているので、一番大切なのは、感染しやすい3密の環境や状況を避けること、またそのような環境をつくらないことでしょう。

また、飛沫などに含まれるウイルスが粘膜などについて感染する「接触感染」を防ぐためには、マスクがもっとも効果的です。1人ひとりマスクをして飛沫を飛ばさない環境づくりを徹底しましょう。

 

Q.マスク、アルコール消毒、3密を避ける以外に、予防策はある?
A.手洗いを心がけ、規則的な生活を送りましょう

やはり手洗いが感染予防において重要です。外出した後、食事をする前などこまめに洗いましょう。ただし、毎回石鹸で手を洗った後にアルコール消毒をする必要はありません。水洗いでもしっかりと洗えばウイルスは落ちます。特に皮膚の弱い方はアルコール消毒で手が荒れてしまうこともあるので、水でしっかりと洗いましょう。
そのほか、免疫力を保つため、睡眠を十分にとって、栄養バランスの取れた食事を心がけてください。

そして、規則的な生活をすることも大切です。私の経営しているクリニックでも多いのですが、感染を恐れすぎるあまり、家にこもってしまう高齢者の方々もよく見受けられます。家に居る時間が長い人ほど、テレビの報道ばかりが目に入ってしまって、外に出るだけで感染してしまうと思っている人が多いのではないでしょうか。
持病での通院をやめ、毎日朝晩の散歩にも行かず、その結果、持病が悪化したり、手足の筋力が衰えてたりする人が増えています。新型コロナウイルス以外の弊害が起きてしまうんです。

空気が流れている屋外ではまず感染はしません。人が居ても2m以上離れていれば飛沫は飛んできません。人と話すときもお互いにマスクをしていれば大丈夫です。環境に気をつけていれば、感染はしません。
ですから、通院や散歩に出かけて、規則的で活動的な生活を送るようにしましょう

 

Q.コロナ予防をしていれば、ほかの感染症も防げる?
A.予防策は大体同じで大丈夫ですが、予防接種は受けましょう

基本的にどの感染症でも予防法は同じで構いませんが、とりわけ予防できるものは予防を。これからの季節はインフルエンザが流行するので、予防接種は必ず受けましょう
インフルエンザの予防や重症化を防ぐことはもちろんですが、そのほかに、コロナウイルスか、そのほかの感染症かを見分ける判断材料になります。

私たち医者は、熱が出て来院された患者さんの診断をするわけですが、正直、熱の症状だけではどんな感染症なのか、判断がむずかしい場合もあります。その際、患者さんがインフルエンザの予防接種を受けていることがわかれば、大きな判断材料のひとつになり、より適切な処置や治療を提供することができます。ご自身が適切な治療を受けるためにも、予防接種は必要です。診察時に必ず伝えるようにしましょう。
それから、稀なケースですが、コロナウイルスとインフルエンザの併発する場合もあります。ですから、予防できるものはしっかりと予防をしておきましょう。

 

Q.何かしらの症状が出ているけど、コロナウイルスかインフルエンザかわからない……。この場合はどうすればいい?
A.かかりつけ医に電話して相談しましょう

病院に行く前にかかりつけ医に電話で相談をしましょう。
現在は感染者が多いことから、保健所への連絡がつかないことがあります。また、保健所は患者さんの普段の体調を知りませんから、判断がむずかしくなります。そのため、熱や咳など、何かしらの症状が出た場合、普段から通院していて、飲んでいる薬なども把握している、かかりつけ医にまず電話で相談をするとよいです。

いきなりかかりつけの病院に行ってしまうと、もしコロナウイルスに感染していた場合に、感染を広げてしまう恐れがあります。ほかの患者さんと接しないように、時間帯を分けて来院していただくよう指示することもあるので、電話での相談は重要です。ただし、病院に行く際は、マスクを忘れずに。

画像提供:東京都医師会

 

角田先生からのメッセージ

感染しやすい3密を避けること、人と話すときはお互いにマスクをすることは予防の大前提です。しかし、それ以外の感染しない環境や運動をする場合は、熱中症などの危険があるので、マスクを外してください。また、水でいいので手洗いはこまめに。
それから、ウイルスを怖がりすぎず、日々の活動の量を落とさないでほしいですね。きちんと対策をしていれば、すぐに感染するウイルスではありません。散歩に行ってリフレッシュしたり、友達と会ってお話して気分転換することも必要なのではないでしょうか

また、きちんとした対策をするために、信頼できる機関から正確な情報を得ることが大切です。東京都医師会はもちろん、政府からも正しい情報が出ていますし、どうしても心配なようなら、かかりつけ医の先生に相談してもいいでしょう。
とにかく、正しい対策をすることが、元気に生きるための手段になります

 

法人情報
公益社団法人 東京都医師会
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HP: https://www.tokyo.med.or.jp/

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角田 徹

東京都医師会副会長。角田外科消化器科医院院長。1980年東京医科大学卒業。愛知県がんセンター放射線診療部、山梨医科大学第一外科、米国カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)外科客員研究員などを経て、1991年東京三鷹市にて角田外科消化器科医院開設。2009年より東京都医師会理事、2015年より同副会長。
角田 徹