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編集後記

7・8月の特集「自分をあたらしくする」を終えて

特集 自分をあたらしくする 2020.8.31

文:花塚水結、出口夢々

太鼓判を押しまくると心に誓った夏――花塚水結

ZIELをオープンしてから約1カ月半、サイト立ち上げに向けて動きはじめてからは、半年以上が経ちました。
私は入社してから丸2年、ずっと本の編集をしてきたので、サイト制作の知識や経験もなく(本の制作なら知識や経験が豊富だというわけでもないのですが……)、とにかく不安な半年間だったなと、振り返って思います。

私が所属する編集プロダクションは、出版社から依頼を受けて本の制作をしています。
1章ができたら出版社に確認とって、修正して、OKもらって。2章ができたら確認とって、修正して、OKもらって……と。いつも、少し進んだら誰かのOKをもらって、ようやく次の段階に進めるのです。

ところが、サイトの立ち上げにはOKをくれる人がいませんでした。
出口と2人で「これでいいかな」「こっちにしようか」と相談しながら、何となく次の段階へ進んでいるような、いないような。本をつくるときのようにゲラが上がってくるわけでもなく、サイトの実態があるわけでもなく、何をつくっているんだろう? と思うこともありましたが、何となく進んでいるらしい、そんな感覚でした。
決して、出口の確認が不安という話ではありません(笑)。2人とも手探りでの制作だったので、「OK」という太鼓判が押されていないような気がして、とにかく毎日不安だったのです。

それでも、サイトのオープンが近づき、制作した記事の更新作業をしているとき、ふと思いました。太鼓判は自分たちで押していかなければならないなと。

取材して、原稿を書き、アップする。その過程ではもちろん自分以外からの「OK」をもらいますが、企画の段階から自分が納得し、これなら絶対におもしろい! と太鼓判を押さなければ、いつまでも不安なままなのだろうと思いました。

これまでアップした記事は、自分たちが全力を尽くして制作してきたものです。読んでいただけるみなさまに届いたらいいな、という思いから、自分たちで太鼓判を押してきました。もちろん改善点はたくさんあると思いますが、それはこれからの記事に反映し、常にそのときの自分たちが読みたいと思う記事の制作に全力を尽くします。今より多くのみなさまに届くように、これからも太鼓判を押しまくるぞ、そう思った夏でした。

編集後記を書いた日の私が撮影した月
うまく撮影できないと嘆いていたら、弟が撮影してくれた月。この差とは……

 

「普通じゃない人生」を送ります――出口夢々

ZIEL第1回目の特集「自分をあたらしくする」が終わりを迎えました。
このサイトの構想を練り始めたのは今年の2月のこと。サイトのコンセプトや特集テーマを決めるにあたり、花塚と何度も口論をし、不機嫌になり、そのまま帰宅した日々が懐かしいです(今でも口論はしますし、不機嫌にもなりますが……)。

ZIELの対象読者は、シニア女性たち。24歳の私からしたら読者のみなさんは「人生の大先輩」なわけで、「経験豊富な方々たちに若造が何を発信できるのか」とたくさん悩みました。そんなとき、会社帰りの電車で読んでいたのが、白石一文さんの『不自由な心』(角川書店)です。「水の年輪」というお話のなかに出てくる「自分をあたらしくする」という考え方に出合ったとき、「これを最初の特集テーマにしたい!」と強く思い、花塚に提案しました。

そして、「自分をあたらしくする」の記事を制作するにあたって取材を始めたのは、6月から。緊急事態宣言の解除を待ってのスタートだったので、7月17日のサイト公開日に間に合うのかとハラハラしながら、記事にご協力いただいたみなさまに連絡をしました。まだサイトのデザインも決まっていない段階でのオファーだったので、怪しまれないかと不安を感じることもありましたが、快くお引き受けいただけて本当に安心したのを覚えています。

白石一文さんの取材アポイントも無事にとれ、お話を伺ったのは7月19日のこと。2時間半ほどお時間をいただき、じっくりと丁寧に「自分をあたらしくする」をめぐる生と死の問題についてお話をしました。
取材のなかで私たちの名前の由来に話題が移ったのですが(何を隠そう、出口夢々と花塚水結、どちらもキラキラネームなのです)、そこで「『夢々』なんて名前なんだから、普通の人生を送れると思っちゃいけないよ(笑)」といわれたのが衝撃でした。たしかにこれまで「普通の人生」では起きえないであろう出来事が多発しているので、うすうす感づいてはいましたが、他者にいわれると説得力のあるものです。

他者からの意見を鵜呑みにするわけではありませんが、白石さんがおっしゃったように「死ぬこと以外に破滅なんてない」のですし(詳しくはこちらの記事を読んでみてください)、これからは開き直って「普通じゃない人生を謳歌しよう」と心に決めたのでした。

2月の休日に花塚と集まり、サイトの方向性を決めながら食べたワッフル。「がんばろう」と心に誓いながら食べました

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