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桜ばっかり見てないで! 園芸研究家が選ぶ「春の花」別おすすめ植物園

園芸研究家直伝! 家でも簡単に育てられる花を紹介

特集 春こそ、人生に祝福を! 2021.4.23

取材・文:花塚水結

春に咲く花といえば、桜のイメージが強いのではないでしょうか。しかし、桜以外にもたくさんの春に咲く魅力的な花がたくさんあります。そこで、園芸研究家の小川恭弘さんに、春に咲く花の魅力を教えていただきました。
観賞におすすめな植物園や、家で栽培する場合のポイントも伺いました!

▼お話を伺った人

 

桜以外の花の魅力

 

花塚:春に咲く花といえば、桜のイメージが強いですよね。

小川:そうかもしれませんね。

花塚:今日は、桜以外に春に咲く花の魅力を教えていただきたいんです!

小川:桜以外の花の魅力ですね。わかりました!

 

小川まずは定番で人気なのがバラですかね

花塚:え! バラって春の花なんですか!?

小川:そうなんですよ。秋にも見ごろを迎えたり四季咲きの品種もあるのですが、一番の見ごろは5月ごろですね。ヨーロッパなどで古くから愛好されていたことから、品種や花色が多く、色彩豊かなので、植物園でも不動の一番人気がありますね。

花塚:たしかに、バラっていろんな色がありますよね。
バラが観賞できる植物園はどこですか?

小川:人気ゆえ、とても多いですよ。検索していただくと、お住まいの地域の近くにもきっとあると思います。私がおすすめするのは、千葉県にある京成バラ園ですね。首都圏だと一番規模が大きくて有名だとお思います。後は、東京都の神代植物公園や神奈川県の花菜ガーデンなどもおすすめです。

花塚:バラってそんなに人気なんですね。家でも育てられますか?

小川バラを家で育てるのは、少し敷居が高いかもしれません。初心者の方だと、なかなか咲かないことも多いんです。

花塚:なぜ咲かなくなってしまうのでしょうか?

小川カビの一種である「黒星病」のほか、さまざまな病害虫にかかりやすいんです
病害虫の対策として、農薬を比較的頻繁に撒くことが一般的ですが、農薬はペットにも影響がありますし、抵抗感もありますよね。家庭で必要に応じて何種類かの農薬を散布して育てるのはそれなりの熱意が必要ですし、なかなかむずかしいかと思います。
ただ、一方で育てやすい品種もあるんですよ。

花塚:花屋では手軽に買えても、育てるには相当な手間がかかるのですね。
育てやすい品種とは、どんな品種ですか?

小川ツルバラや原種に近いオールドローズなどには丈夫な品種が多いです。こうした育てやすい品種で、環境もよければ、手間がかからずにバラを楽しめると思います。
インターネットで検索すると「育てやすい品種」がたくさん出てくるので、検索してもらえるといいかもしれませんね。

 

小川次に人気なのが、チューリップだと思います

花塚:春の定番ですよね!

小川:そうですね。チューリップは簡単に育てられるので、初心者の方でも家での栽培を気軽に楽しむのにおすすめです。大体、秋ごろに球根を植えていただくと、春には咲きますね。ただ、地域にもよりますが、一度咲いたら来年以降は花が小さくなるか、咲かなくなってしまうので、毎年植える必要がありますけどね。

花塚:なるほど。チューリップというと、オランダの風景が有名ですよね。

小川:風車とチューリップの風景ですよね。

小川千葉県の佐倉ふるさと広場で行われている「佐倉チューリップフェスタ」では、オランダの風車とチューリップの風景を再現していて、オランダののどかな雰囲気を味わうことができますよ

花塚:そうなんですね! ぜひ行ってみたいです。
ほかにチューリップを観賞できる植物園はありますか?

小川:東京都の昭和記念公園とか、茨城県のひたち海浜公園などですかね。ただ、チューリップも人気が高いので、マザー牧場などの観光地のちょっとした一角で咲いていることもありますよ。

 

小川最近人気が高まったのが、ネモフィラですね。ひたち海浜公園のネモフィラ畑が “インスタ映えスポット” としてとても有名になりました。

花塚:ということは、本当に最近人気が出た種類なんですね。

小川:そうですね。ここ10年ほどの間に一気に有名になったので、今は苗も売られるようになりました。家でプランターに植え替えていただくと、簡単に育てられますよ

花塚:家で育てられるのですね。

小川:はい。手をかけすぎるとかえってだめになってしまうので、水や肥料をあげすぎないことがポイントです。肥料はあげなくてもいいくらいです。元々、痩せ地や厳しい土地でも育つ植物なので、ほったらかしでもよく育ちます。

花塚:ズボラな私でも、育てられるかもしれないです。

 

小川それからフジですね。元々、江戸時代から現在にいたるまで愛されているんですけど、栃木県のあしかがフラワーパークで「フジのトンネル」がつくられてから、大々的にブレイクしたと思います。上からフジが垂れているのですが、とてもきれいですよ。

花塚:あ! この上から垂れているフジと言えば、アニメ『鬼滅の刃』じゃないですか! あの、鬼殺隊の最終選別のときにフジのトンネルのような場所が出てきますよね。

小川:そうですね。アニメの影響もあってフジの人気が高まっていると思うので、お孫さんと一緒に行かれてもいいかもしれません。本当に壮大できれいなので、この春は外せない、そんなスポットになっています。また、フジは大きめの鉢に植えて、盆栽として楽しむこともできますよ

花塚:え、家で育てられるってことですか?

小川:はい。先ほども言ったように、日本で自生している植物なので、環境的には問題がないんです。土が乾いたらたっぷりの水をあげる、これくらいの手間で花が咲くと思いますよ。

花塚:フジの盆栽が育てられたら、めちゃくちゃ和風でおしゃれだな。

 

小川次はポピーですかね

花塚:名前がかわいいですね。

小川:そうですね。ただ一口にポピーといっても、ひなげし(シャーレーポピー)やアイスランドポピー、カリフォルニアポピーなど、よく栽培されている種類がいくつかあります。

花塚:「ひなげし」って、アグネス・チャンさんの歌に出てくるやつだ! ポピーの1種類だったとは知らなかったです。ポピーも春に咲く花なんですね。

小川種類や地域によっては、12月下旬から咲き始めたりもするんですけどね
一度に多くの量を植栽するのに向いている種類なので、昭和記念公園やマザー牧場など、広大な敷地がある場所では大体ポピーのコーナーが設けられていますよ。

花塚:なるほど。どんな色がありますか?

小川:赤やピンク、オレンジ、黄色など明るい色が多くて、とてもきれいです。

花塚:ハッピーになれそうな赤ですね。家では育てられますか?

小川育てることもできるのですが、苗はあんまり出回っていないのが現状ですね
ただ、栽培はむずかしくはありません。強い霜や北風に当てないようにすれば、春に花を楽しめます。1年草なので、夏までには枯れてしまいますが。

家で育てるなら “植えたらほったらかし” のハーブがおすすめ

 

花塚:いろんな春の花を紹介していただきましたが、小川さんは自宅でどのように楽しまれていますか?

小川:正直言うと、家ではあまり栽培していなくて……(笑)。実用的なハーブを中心に、庭で少し育てているくらいですね。

花塚:ハーブですか! めちゃくちゃおしゃれなやつ!
というか……ハーブと花って一緒なんですか?

小川:ハーブは、花や葉に芳香のある植物のことで、薬用や食用、香料などに利用されます。
ただし、ほぼ鑑賞用として栽培されている種類もあるので、明確な線引きはないのかなとも思います

花塚:そうなんですね! ずっと別物だと思っていました。
でも、育てるのはむずかしそうですよね。

小川:いえいえ、そんなことはないですよ。
地植えと言って、庭に直接植えたら、後はほったらかしです(笑)。基本的には何もしないでも大きくなっていきます。あとは茂りすぎないように手入れを兼ねて、小まめに切って収穫するだけですね。

花塚:それってとっても便利じゃないですか。収穫したハーブは、どのように使っていますか?

小川:種類によってマッチする用途が異なるのですが、たとえばローズマリーは油っぽい料理にすごく合うので、お肉を焼くときや揚げ物をするときに一緒に枝先の部分を入れますね。クセもなく、胸焼けを防いでくれる効果もあるので、いいですよ。

花塚:油っぽい料理は胸焼けして、たくさん食べられなかったりしますからね。
小川さんは、どんな種類のハーブを育てているんですか?

小川:ローズマリー、フェンネル、レモングラス、イタリアンパセリ、ラベンダーなどですね。庭に植えて8年経った今でも生えてくるものもあるんです。ですから、種類によっては1回植えてしまえば、長いあいだ楽しめますよ。種は200円前後で買えるものが多いので、気軽に挑戦できると思います。

花塚:種ってそんなに安いんですね!
育てる環境は庭やベランダなどの屋外のほうがいいのでしょうか?

小川:種類によりますね。パセリなんかは鉢植えにして室内でも簡単に育てられますが、ローズマリーなどは室内に入れた途端にすぐ枯れてしまうこともあるので……。室内で育てたい方は、ミント、バジル、ルッコラなどを選ぶといいと思います!

花塚:植物を育てるって、「ハードルが高いな……」と思いがちですが、きちんと種類を選べば、私でも育てられそうな気がしてきました!

小川:はい。ほったらかしでも育つものを選んで、ぜひ育ててみてくださいね。

みなさんは、どんな花がお好きですか? ぜひコメント欄で教えてください🌼

 

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小川恭弘

千葉県館山市の植物園勤務を経て、主に熱帯植物の栽培などに携わる。趣味の園芸で講師を担当するほか、著書に『ハイビスカス NHK趣味の園芸よくわかる栽培12か月』(NHK出版)など
小川恭弘