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いくつになっても、ときめいていい!——『また、あなたとブッククラブで』

1冊の本によって開かれた人生の新たな1ページ

連載 スクリーンZIEL 2020.12.21

文:花塚水結

編集部・花塚が今観たい映画作品を紹介する連載「気になるシーンをコマ送り スクリーンZIEL」。第3回目は、2020年12月18日(金)に公開された『また、あなたとブッククラブで』。
本作は、2018年にアメリカで公開されたコメディ映画です。「年齢」のしがらみによってまわりの目を気にして生きる4人の女性が、1冊の本に感化され、人生の後半をもう一度自分らしく生きようと奮闘する物語。一体、自分の幸せとは何なのでしょうか?

 

ブッククラブ——それは人生にさみしさを感じている4人の「至福のとき」

 

40年間連れ添った夫に先立たれ、子どもたちからお年寄り扱いされているダイアン(ダイアン・キートン)。複数の男性と関係を楽むビビアン(ジェーン・フォンダ)。18年前の離婚を引きずるシャロン(キャンディス・バーゲン)。長い結婚生活の危機を迎えているキャロル(メアリー・スティーンバージェン)。
旧友である4人は家庭生活や仕事での経験を積み、ときには悩みを抱えながらも、読書を楽しむ「ブッククラブ」を定期的に開催していました。そのブッククラブとは、毎回担当者が課題本を選書し、ワインを飲みながらその本について話す「女子会」のようなもの。

あるとき、ホテル経営をするビビアンが持ってきたのは、官能小説の『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』。最初は読むのに反対した3人でしたが、今の生活からは考えられないような刺激的な内容に感化され、ときめく気持ちを取り戻していきます

©2018 BOOKCLUB FOR CATS, LLC ALL RIGHTS RESERVED

 

自分らしい生活を手に入れたいと願うダイアン

 

夫を亡くし、ロサンゼルスで一人暮らしを続けているダイアン。2人の娘からは「もう歳なんだから私たちの近くで暮らしてほしい」と、アリゾナでの生活を迫られます。娘たちの気遣いをうれしく思いながらも、唯一の楽しみであったブッククラブに参加できなくなることが心残りで、ロサンゼルスを離れようとしませんでした。

ある日、娘たちに呼ばれてアリゾナへ向かう飛行機に乗ると、隣の席に座っていたミッチェル(ドン・ジョンソン)に話しかけられます。アリゾナへ着いてすぐ、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』に刺激を受けたキャロルから、本の内容について話したいとブッククラブ緊急招集の電話が。仕方なく、ロサンゼルス行きの飛行機に飛び乗ったダイアナは、機内アナウンスでコックピットに呼ばれ、ミッチェルがパイロットだということを知ります。

ロサンゼルスに着き、いつものようにブッククラブに参加したダイアナは、ミッチェルとの出会いを話すと、3人に後押しされてミッチェルとディナーへ出かけることに。この出会いをきっかけに2人は徐々に心惹かれあい、デートを楽しむ関係になります

©2018 BOOKCLUB FOR CATS, LLC ALL RIGHTS RESERVED
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ですが、自分をお年寄り扱いしてくる娘たちに、亡くなった夫ではない新しい男性との関係を言い出せず、悶々とするダイアン。そんな彼女が下した決断とは——。

 

このシーンが気になった!

 

この映画で気になったのは、ダイアンが自分の正直な思いを娘たちに告げるシーンです。
娘たちは、母親(ダイアン)と一緒に暮らすべく、自分たちの家の地下をバリアフリーデザインに改築し、お年寄りの母親を万全の体勢で受け入れようとします。そこへ大荷物を抱えて訪ねてきたダイアン。しかし、娘たちの思いとは裏腹に自分の正直な思いを話し始めるのです。

亡くなった夫の存在や改築まで済ませた娘への気遣い、何より「若くない自分」への思いが足枷となり、自分の気持ちを抑えてきたダイアンでしたが、幸せになる勇気を踏み出す彼女の姿はとても格好よかったです

©2018 BOOKCLUB FOR CATS, LLC ALL RIGHTS RESERVED

「あのとき失敗したから」「あのときと同じ悲しみを味わいたくない」「あのころのようには戻れない」——「あのころ」の経験から未来を決めてしまいがち。でも、その思いの裏側には、「でも挑戦してみたい」という今の自分の本音が必ず一体となっていると思います。その気持ちに正直になるには、傷つく覚悟が必要です。
歳を重ねて傷ついてきた経験から、何事にも億劫になっていた主人公たち。それでも新しい一歩を踏み出した4人が、「失敗するかもしれないけれど、やってみよう」という気持ちがいかに大事か、たっぷりのユーモアを交えて教えてくれました

 

また、あなたとブッククラブで』(2018年)
日本公開日:2020年12月18日(金)
監督・共同脚本・製作:ビル・ホルダーマン
出演:ダイアン・キートン、ジェーン・フォンダ、キャンディス・バーゲン、メアリー・スティーンバージェン、アンディ・ガルシア、ドン・ジョンソン、クレイグ・T・ネルソン、リチャード、ドレイファス

2018/アメリカ/スコープサイズ/104分/カラー/英語/DCP/5.1ch/日本語字幕:鈴木恵美/原題『Book Club』
配給:キノフィルムズ
提供:木下グループ
©2018 BOOKCLUB FOR CATS, LLC ALL RIGHTS RESERVED
公式HP: https://bookclub-movie.jp/ /映倫:G
公開している劇場:ヒューマントラストシネマ有楽町ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

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