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『ヴィンチェンツォ』って一体どんなドラマ?

この夏に観たいおすすめ韓ドラを紹介!

特集 夏を乗り切る生活術 2021.7.01

文:花塚水結
写真提供:Netflix

今年2月にNetflixで配信開始となったドラマ『ヴィンチェンツォ』。5月には最終話が公開となり、視聴ランキングの上位をキープし続けています。

本作はイタリアマフィアのコンシリエーレ(顧問弁護士)であるヴィンチェンツォ・カサノが本国の韓国に戻り、次々と起こる問題を “マフィア流” に解決していく物語です。
相手を陥れるためなら手段を選ばない——ときには無慈悲な計画を実行し、ときにはハニートラップを仕掛け、ときには鳩にも本気で怒る!? そんな、謎に包まれたヴィンチェンツォの7つの仮面と、物語の魅力に迫ります!

※この記事では、ネタバレを含む箇所がございます。知りたくない方は、ご注意ください。

 

『ヴィンチェンツォ』のあらすじ

 

イタリアのマフィア「カサノファミリー」のコンシリエーレ(顧問弁護士)であるヴィンチェンツォ・カサノ。ボスには絶対的な忠誠心を持ち、無慈悲な計画にも臆しません。韓国出身ですが幼少からイタリアで育ったため、中身は完璧なイタリア人で、オペラや絵画を愛し、ミラノの高級ブランド・ブラルロのスーツを愛用しています。

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物語は、クムガ・プラザという建物の地下に埋めた金塊を掘り起こすため、ヴィンチェンツォが本国の韓国に戻ってきたところから始まります。

ヴィンチェンツォはクムガ・プラザの入居者に対して、再入居を条件に一時退去の同意を得ますが、韓国大手のグループ会社であるバベル建設もクムガ・プラザ周辺一体の開発に向けて土地購入の計画を立てていたため、揉めてしまいます。

ヴィンチェンツォはバベル建設について調査を始めると、バベルグループが反社会的な勢力だと見抜き、さらに癒着するウサン法律事務所がそれを庇っていると指摘。

クムガ・プラザの入居者であり弁護士のホン・ユチャンはバベルに関する裁判を担当しており、すでにその事実を見抜いていたのですが、ある夜、突然命を落としてしまいます。

それがバベルとウサンの計画によるものだと悟ったヴィンチェンツォとホン・ユチャンの娘で弁護士のホン・チャヨンが、バベルとウサンの不正を暴き、ホン・ユチャンの仇を取るためにヴィンチェンツォとともに闘っていく物語です。

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イタリアではマフィアも恐れるほどのやり口で、仕事を行ってきたヴィンチェンツォ。敵対するバベルグループは、ウサンを利用して違法な経営や計画を次々に実行していきます。当初は裁判によって闘っていましたが、バベルとウサンは目的のためなら手段を選ばず、計画はどんどん汚いものにエスカレートしていきます。

しかし、ヴィンチェンツォも目的のためなら手段を選びません。毎回、緻密で突飛な計画により、バベルとウサンを追い詰めていきます

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当初は1人で計画を実行していくヴィンチェンツォでしたが、ホン・チャヨンやクムガ・プラザの入居者との協力による計画も圧巻で、見ていてとてもスカッとします! そして、敵を追い詰めた後の「決め台詞」にもぜひ注目してみてください。

 

敵対するバベルグループは、あらゆる企業のトップを買収して味方につけようとします。しかし、その動きを察知したヴィンチェンツォはときに “演技” によってバベルの味方となる人を騙していきます。

 

ときには銀行の頭取に対してハニートラップを仕掛けるヴィンチェンツォ

第8話では、シングァン銀行がバベルに莫大な融資をするという情報をヴィンチェンツォ一行が掴みます。その融資を阻止すべく、シングァン銀行の頭取、そしてゲイであるファン・ミンソンに対してヴィンチェンツォがハニートラップを仕掛けます。

ヴィンチェンツォがファン・ミンソンとデートを楽しむ場面では、前髪を下ろしてニット帽を被っている愛らしい姿が印象的です。きっと頭取もメロメロになったこと、間違いなしでしょう

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ときにはカップルを演じるヴィンチェンツォ

第14話では、ヴィンチェンツォ一行は、バベルが資金洗浄するために美術館(ラグサン・ギャラリー)の展示品を利用していると知ります。

そこで、美術館の館長室に潜入し、不正な金の流れを示す証拠を手に入れることに。ホン・チャヨン弁護士とともに、完璧(?)にカップルを演じ、任務を遂行していきます。

このシーンでは、クムガ・プラザの入居者による見事な連携プレーも炸裂し、スリル満点な潜入シーンとなっているので、誰がどんな役に徹しているのかよく観察してみてください

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そして、ときには霊媒師にも扮するヴィンチェンツォ

第15話では、バベルの社長チャン・ハンソクが、新聞社テチャン日報の社長であるオ・ジョンべに対し、バベルが新規事業を設立するという記事を捏造してもらうよう、依頼します。チャン・ハンソクはバベルの株価を上げて利益を生むことを狙います。

皮肉にも、真実を報道する新聞社の社長を務めるオ・ジョンべは、占いを信じすぎてしまう。その情報を掴んだヴィンチェンツォ一行は、霊媒師に扮してオ・ジョンべを騙します。

ここでの純白の韓服姿が似合いすぎていて、訳がわかりません。また、霊媒師のシーンでは死者が乗り移った演技が振り切れていて最高なので、絶対にチェックしてほしいところです

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どんな計画も完璧に実行するヴィンチェンツォ。バベルとウサンを倒すチームのリーダーとして、常に冷静で的確な戦略と指示を出し、次々と襲いかかってくる相手の攻撃をかわしていきます。

当初は無慈悲な計画に心を痛めていたホン・チャヨンでしたが、父であるホン・ユチャンの仇を取るために覚悟を決めてヴィンチェンツォについて行きます

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しかし、そんなヴィンチェンツォが一度だけ感情を露わにし、涙を流すシーンが母親の死です。複雑な母親との関係が少しづつ解けていく過程では、心がキュッと締めつけられます。

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常に冷静で感情を隠しているヴィンチェンツォですが、ときにはムキになってしまうこともあります。そのムキになってしまう相手は、鳩。そうです、あの鳩です

鳩に睡眠を邪魔され、部屋を荒らされ、鳩相手に声を荒げる場面も。しかし、あるときヴィンチェンツォは鳩を “インザーギ” と名づけ、エサを与えるなど可愛がります。そしてこのインザーギが物語のなかでも大切な役割を担うのでした……。ぜひ第15話にてチェックしてみてください!

 

クムガ・プラザの住人の1人であるトト。クムガ・プラザではイタリアンレストランを経営しており、ほかの住人にはイタリアのミラノで料理留学をしていたとウソをついています。しかし、ヴィンチェンツォはトトに鎌をかけると、その嘘をあっさりと見抜いてしまうのです。

ヴィンチェンツォはトトの経営するレストランへ行き、何度か食事をする場面がありますが、その食レポが独特かつ辛辣。1話では、トトの自信作であるトリュフとポルチーニのスパゲティーを注文します。出てきた料理はおいしそう……に見えるのですが、ヴィンチェンツォは「ゴミ箱から拾い上げたような味」と表現します

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し、辛辣すぎる……! ヴィンチェンツォの言葉にトトも心折れてしまった様子ですが、その後も辛辣な食レポをする場面がありますので、その点にも注目です。

 

ヴィンチェンツォの髪型といえば、七三オールバック。どれだけ動いても一糸乱れぬ完璧なセットが特徴的です。しかし、あるときから前髪を下ろすことも増えます。ともに仕事をこなすホン・チャヨンをはじめ、クムガ・プラザの住人と過ごしているうちに距離が縮まり、心を許せるようになった証なのではないかなと思います。そしてそれがまたかっこいい……!!

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しかし、ヴィンチェンツォの変化とは裏腹に、下ろしていた髪をオールバックにして本性を見せる人物も……!? ヴィンチェンツォ以外の登場人物の髪型にも注目してみてください。

 

バベルとウサンを倒すため、ともに過ごしてきたヴィンチェンツォとホン・チャヨン。そんな2人が仕事のパートナーとして信頼を高めていくのと同時に、少しずつ心惹かれあっていきます

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韓国に慣れていないヴィンチェンツォにホン・チャヨンが韓国の文化を教えたり、反対にホン・チャヨンがヴィンチェンツォにマフィアに関する疑問をぶつけたり。仕事以外の話もするようになりますが、ヴィンチェンツォは本件が落ち着いたら韓国を離れることが決まっています。はたして、縮まった2人の距離はまた離れていってしまうのでしょうか——

 

ドラマ『ヴィンチェンツォ』の魅力が少しでも伝わったでしょうか……? ストーリーが進むにつれ、ヴィンチェンツォやほかのキャラクターにどんどん惹きつけられますし、息を呑むような展開が続き、目が離せなくなります。3話の後半から、急にアクセル全開のように物語が加速し、気づいたらあっという間に20話に到達していました!

また、韓国のヒットドラマや主演ソン・ジュンギの出演作などを観ていると、より楽しめる要素も散りばめられています。一つひとつの台詞にも注目してみてください。

少々残酷なシーンもあるのですが、一貫としてコミカルに描いているシーンが多く、毎話に喜怒哀楽が込められています。この夏はドラマ『ヴィンチェンツォ』の沼にハマってみませんか?

 

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ヴィンチェンツォ
監督:キム・ヒウォン
脚本:パク・ジェボム
出演:ソン・ジュンギ、チョン・ヨビン、ユ・ジェミョン、オク・テギョン(2PM)、チョ・ハンチョル、キム・ヨジン、クァク・ドンヨンほか
Netflix公式サイト: https://www.netflix.com/browse?jbv=81365087

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