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今、私が死んでしまったら、遺された人とのお別れはどうなるの?

ウィズコロナ時代のお葬式のあり方

特集 ウィズコロナ時代を楽しく生きる 2020.9.21

取材・文:出口夢々
取材協力:株式会社公益社、株式会社ニチリョク(五十音順)

新型コロナウイルスの発生・流行によって、「死」をより身近に感じるようになった今日。「今、自分が死んでしまったら、遺された人とのお別れはどうなるんだろう?」「三密を回避しながら大切な人をきちんと見送れるのだろうか」など、最期について考えざるをえない状況になってしまいました。

死んでしまったら意識はないかもしれませんが、最期は大切な人たちに見送ってもらいたいし、大切な人の最期は故人にふさわしい見送り方をしたいもの。そこで、葬儀会社の株式会社公益社(以下、公益社)と株式会社ニチリョク(以下、ニチリョク)に、リアルなお葬式事情を伺い、この疑問を解消してもらいました。

 

Q1.今、持病や事故など、新型コロナウイルス以外の原因で亡くなった場合、どのようなお葬式が行われますか?
A1.従来通りのお葬式を行えます

公益社の見解
新型コロナウイルスが発生・流行する前と同じように、お葬式を行えます。故人と最後の別れの場となるので、親族だけでなく、お世話になった方々も参列してほしいと思われるのも当然のこと。当社としては、そのご家族のご希望に応じた式を行い、感染予防対策をしっかりとするのみです。もちろん、ご遺族の方が感染症に対して不安を抱かれている場合は、その不安をできるだけ排除したかたちの式を提案しています。

ニチリョクの見解
従来どおりの流れと大差はありません。ただし、葬儀式場内でのソーシャルディスタンスを推進しているため、参列者同士が密集しないように一定間隔(1.5m以上)を確保したり、読経中の焼香はご住職の後方で行う立ち焼香ではなく、各自席での回し焼香にしています。また、お清めや通夜振る舞いの会食などは接触感染リスクが高まるので、大人数は避けていただき、代わりに折詰などのお持ち帰り用の手配や食品用カタログギフトの配布を推奨しています。

 

Q2.お葬式後、火葬場での流れも従来と同じなのでしょうか?
A2.火葬場独自のルールが設けられている可能性があります

公益社の見解
火葬場は当社のマニュアルとは関係なく、火葬場ごとにルールが設けられているようです。人数制限を設けていたりするようですが、感染状況などで制限の基準も変わるので、火葬場に確認が必要となります(なお確認は葬儀会社で行います)。

 

Q3.新型コロナウイルスの感染を予防するために、どのような対策をとられていますか?
A3.接客時のマスクの着用とアルコール消毒の徹底、参列者へのマスク着用をお願いしいています

公益社の見解
ほかに、席を1席分くらい空けて置いたり、焼香の間隔を空けたりもしています。また、都内だとお通夜の後に通夜振る舞いというかたちでビュッフェをとる習慣があるのですが、こちらに関しては通夜振る舞いを行うのであればビュッフェ形式ではなく、個々のお皿にお料理を盛って提供するようにしています。座って食事をとられる場合には、真向いには人が座らずに、ななめに座っていただいたり、アクリル板を設置するなどして、席の配置を行っています。

ニチリョクの見解
マスクの着用やアルコール消毒はもちろん、葬祭ディレクターがお客さまのご自宅へお伺いする際には外部からウイルスを持ち込まないようパソコンやバッグの消毒を行うなど配慮しています。また、お客さまの要望によってはZOOMなどのツールを利用した打ち合わせに対応する準備もしています。

 

Q4.新型コロナウイルス感染拡大後にお葬式を行われた方からの声をお聞かせください。
A4.「無事にお葬式を執り行えて安堵した」という意見をいただいています

ニチリョクの見解
このような状況でも、何とか亡き故人を送ることができて安堵したという意見をいただくことが多いです。しかし、「亡き故人にふさわしい葬儀を行えなかった」「一緒に見送ってほしい人がいたけど、お声がけできなかった」「もっと懇ろに見送りたかった」と、後悔に近い感情を抱かれたご遺族もいました。当社では、後日、お別れ会の形式での法要を執り行い、お別れをする機会を設けるなどのサービスの提供を始めています

 

Q5.新型コロナウイルスが原因で死んでしまったら、志村けんさんのときのように、遺骨の状態になるまで家族とは会えないのでしょうか?
A5.火葬には立ち会える可能性はありますが、直接お顔を見るのはむずかしいです

公益社の見解
新型コロナウイルスで亡くなられた場合、非透過性納体袋にご遺体を納めてから納棺します。通常のお葬式とは異なり、先に火葬をしていただく必要があるので、ご家族の方のご承諾を得てから火葬場に連絡をし、火葬する、という流れになります。火葬場によってはご家族が火葬に立ち会えることもありますが、ご遺体は納体袋に納めてしまうので、直接お顔を見て、お別れすることはできないです。

ニチリョクの見解
新型コロナウイルスで亡くなられた故人さまは、非透過性の納体袋に納め納棺するため、ご家族は故人さまの顔を見ることや触れることはできません。また、ご家族が濃厚接触者に該当する場合は火葬場への出入りができないので、柩越しのお別れもできなくなります。お葬式の料金に関しては直葬(火葬のみ)の見積もりを作成しますが、車両や安置施設などの消毒費用もご請求するかたちになるので、通常の直葬価格と比較すると高くなってしまいます。

 

亡くなった原因が新型コロナウイルスか否かにより、お葬式のかたちが大きく異なります。まだワクチンが開発されていない段階なので、あまり考えたくはないですが、新型コロナウイルスで亡くなったときの心構えをしておくべきなのかもしれません。そうした思いは、エンディングノートに記しておいて、遺された家族の後悔の念を少しでも和らげられるようにしておくのも、よいかもしれませんね。

企業情報
株式会社公益社
東証1部上場企業、燦ホールディングス(株)のグループ中核葬儀社。創業87年の歴史があり、葬儀前のご相談から葬儀後のサポートまでも行う。経験豊富な1級葬祭ディレクターが270名在籍、首都圏(東京、神奈川)に13会館、関西圏(大阪・兵庫・奈良)に35会館の会館を持つ。年間10,000件を上回る葬儀を行っている。 https://www.koekisha.co.jp/

株式会社ニチリョク
主に首都圏・名古屋において、葬儀・お墓・納骨堂・仏壇など供養全般の商品・サービスを自社で行っている数少ない企業。墓石業界で最初にジャスダック上場を果たし、一般消費者向けの生花祭壇葬、自動搬送式納骨堂、安置面会専門施設など次々と新しい商品・サービスを世に送り出している企業でもある。2017年にはNHKドキュメント72時間で、葬儀式場ラステルを舞台に「都会の小さいお葬式」が放映され、同年末「朝まで!ドキュメント72時間2017」で視聴者が選ぶ今年のベスト10で第1位に輝いた。 http://www.nichiryoku.co.jp/

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