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「ステイホーム」で勃発! 嫁姑問題

姑のみなさんに届くクレームを恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんが解決!

特集 ウィズコロナ時代を楽しく生きる 2020.9.16

取材・文:出口夢々

新型コロナウイルスの影響で「ステイホーム」が推奨される近ごろ。「息子夫婦と同居しているけど、うちは円満に過ごせている」と思っている、そこのあなた。お嫁さんからは数多くのクレームが届いています……!

そんな数々の“火種”を解決してくれたのは、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さん。ステイホームで一緒にいる時間が増え、嫁姑問題が表面化しやすくなっている今、姑さんには思いもよらぬ、お嫁さんがつい気にしてしまう些細なことと“火種”の解決策を学んで、本当に円満な嫁姑関係を築けているのか、見直してみましょう。

 

クレームその1
台所を併用しているわが家。姑が毎回勝手に私の調理道具を使っては、洗わずに放置する。なぜ無断で使うの? そしてなぜ洗わずに放置するの?

 

三松:お姑さんがズボラな性格なのかもしれません。「お嫁さんが洗ってくれたほうがキッチンが片付くから、私は手を出さないにするわ」「めんどうだからやってもらおう」「使ったものは置いておけば、お嫁さんが洗ってくれる」――、そのくらいの気持ちで、使ったものをそのまま置いておいてしまうのだと思います。

出口:なるほど……。悪気があっての行動ではないのですね。

三松:悪気はないと思いますよ。その方の性格なので、悪意があって行っているわけではないと思うんです。

でも、もしかしたら、嫁が憎いから、つい意地悪をしてしまっているのかもしれません。子どもはいつまでの自分のものではない、とわかってはいても、親は「自分の大事な息子をお嫁さんにとられた」と思ってしまうものなんです。そういった気持ちから、お嫁さんをいびってしまうのかもしれません。

出口:やっぱり母親からすると、いくつになっても息子はかわいいものですしね。

三松:そうですね。30歳になろうが、40歳になろうが、やっぱり息子ですから。ですので、お嫁さんに対してついついライバル意識を抱いてしまうんだと思います。「うちは嫁とよく一緒に買い物に行きます」「私と嫁、2人ともEXILEが好きだから一緒にライブに行く」など、自分とお嫁さんは仲がいいとよその人にはいっていても、心の底では「息子は私のもの」と思っている方も多いのではないでしょうか。

とはいえ、息子を大事に思う気持ちだけでお嫁さんに意地悪をしてしまうのではないと思います。きっと、ほかに何か不満を抱かれているのではないでしょうか。ですので、姑のみなさんは、そうした不満はきちんとお嫁さんに言葉で伝えてみましょう。そうされたほうが、ご自身もスッキリしますし、お嫁さんも納得しやすいのではないでしょうか。

 

クレーム2
外出しようとするたびに、「どこへ行くの?」「何しに行くの?」と聞かれる。聞いてどうしたいの?

 

三松:気になって、ついお嫁さんに聞いてしまうお姑さんも多いのではないでしょうか。「家のことなどせずに、どうして外出できるの?」などと思い、つい口にしてしまう……といった具合で。きっと、お嫁さんが玄関掃除をしていなかったり、部屋の隅にホコリをためっぱなしにしていたりと、お家のことをきちんとできていないのに、どうして遊びに行くのか、と思っているとか……。

お嫁さんは、そんなお姑さんの思いに気づかず「聞いてどうしたいの?」と質問されていますが、まずはお嫁さんも自分の行動を顧みるべきですね。

出口:お姑さんからのメッセージなんですね……。

三松:こういったことを聞くお姑さんのなかには、心の奥で「私の息子の世話もしないで、なんで外に出ているの?」と思われている方も……。聞かない方もいらっしゃいますが、気にしないようにされているのではないでしょうか。

出口:息子夫婦の生活を気にしないようにされている、ということでしょうか?

三松:気にしないようにしている、というわけではなく、遠慮していらっしゃるのだと思います。気にはなるけど、「若い者に任せよう」と思われているのでしょう。ですので、「どこに行くの?」とお嫁さんに聞かれる方は、何らかの不満を抱いているはずです。

そうした場合、お姑さんは直接不満をいったほうがいいですよ。ちゃんとコミュニケーションをとって、会話をする。そうすると、お姑さんもお嫁さんもお互いに「クッソー」と思わざるを得ない発言が飛び出すかもしれませんが、ちゃんとバトルをして、すり合わせられるところは意見をすり合わせたほうが、今後の関係性がグッとよくなります。我慢をしないほうが、気持ちよく過ごせるはずですからね。

また、「生活に刺激がほしい」「楽しい話題はないかな」と考えていると、お嫁さんの行動が気になります。今の流行は何か、どんなスポットが若い人には人気なのかなど、お嫁さんの外出先を聞くことによってリサーチされているのかもしれません。

お嫁さんは、ぶっきらぼうに「○○へ行くだけです」などと答えず、「○○に行くんですけど、楽しいですよ。一緒に行きますか」と誘ってみてはどうでしょう。毎回誘う必要はありませんけど(笑)。お姑さんは、「楽しい場所だったら、今度私も行ってみるから教えてね」と一言加えるだけで、詮索ではなく、リサーチしているのだと伝わります。

 

クレームその3
ひたすら自分の息子ばかりを心配する義母。電話をかけてきては「あなたは専業主婦で家にいるからいいけど、私の息子は仕事で外に出ているから新型コロナウイルスのことが心配で……」という始末。なんで?

 

三松:息子さんのことがかわいくて仕方がないのだと思います。ほとんどのお姑さんは、このパターンだと思いますよ。

また、多くの相談を受けているなかで、自分たちの夫婦関係があまりうまくいっていないと、息子さんをよりかわいがられる傾向にあるような気がします。

出口:なるほど……。

三松:夫からの愛に物足りなさを感じるから、家庭内にいる異性――息子に愛を注いでしまう。そして、その見返りとして息子にも自分を大事にしてほしいと望む。こうした母と息子の関係は、往々にして存在するものですよ。ですので、嫁姑問題がひどい家族は、お姑さんが旦那さんとクールな関係なのかもしれません。自分が旦那さんと仲がよければ、息子のこともそれほど気にならないのではないでしょうか。自分の夫への愛情がほとばしり、息子夫婦のことなど考える隙がないですし、一緒にどこかへ出かけたりと忙しいですからね。

嫁姑問題に関係なく、「最近夫と出かけていないな」などと思い当たるところがあるのであれば、夫と一緒にお散歩してみたり、買い物に行ってみたりと、些細なことからスタートしてみてはいかがでしょう? 共通の趣味を楽しむのもおすすめです。

 

クレームその4
新型コロナウイルスの感染が怖いこのご時世。年を召した義母を気遣って家に行かないようにしているのに、「自分だけ孫に会わせてもらえない」「嫁に意地悪されている」という義母。なんで自分のことばかり考えてしまうの?

 

三松:もしかしたら、このお姑さんは日常生活に不満を感じられているのかもしれませんね。日常が満ち足りていない場合、周囲の人間関係のなかでストレスを発散させたくなります。その対象として、つい、いいやすいお嫁さんにつらくあたってしまうのでしょう。

出口:さみしさもあるのでしょうか?

三松:そうですね。もし、さみしさを感じていらっしゃるのであれば、自分からいろんな世界を見に行ってみてはいかがでしょうか? スマホであたらしいコミュニティに参加してみたり、地域で開催されているサークルに入ってみたり、家の外での楽しみを見つけてみると、新鮮な気持ちにもなれますよ。

また、こんなご時世ではありますが、お孫さんに会いたいと思われるのも当然のことですよね。ですので、お嫁さんと相談して、お孫さんに会う機会を増やしてもらったり、ビデオ電話を使ってコミュニケーションをとる機会を設けてもらってはいかがでしょうか。今のスマホなら、顔を見ながら話せるツールはたくさんありますし。

 

クレームその5
いつもアポなしでわが家に来る義母。このご時世でも相変わらず連絡なしで訪問してくるの、なんで?

 

三松:これもその方の性格の問題ですよね。お嫁さん=息子と同列の存在、と考えるお姑さんは多いもの。お嫁さんは他人ではなくて、遠慮なく振る舞える身内として捉えてしまうんです。

出口:よくいえば、家族として受け入れてもらっていると捉えられますが……。

三松:そうですね、お嫁さんとしても自分たちの暮らしの流れがあると思うので、そうした気遣いはしたほうが、円滑な関係を築けるのではないでしょうか。家族だからこそ、他者配慮をおざなりにしないよう心掛けるのも大切ですね。

 

お姑さんに三松さんから一言

嫁姑問題は、実は自分で解決できるものです。自分さえ満たされていれば、嫁の粗相なんてたいてい気にならなくなりますよ。まずは、嫁ではなく旦那さんへの態度を見直して、夫婦間の愛を再燃させたり、旦那が頼りなければ家の外の世界に飛び込むなどしましょう。

嫁の作法に問題があるときは、その都度いわずに、まとめて「これが我が家のルール」と伝えて、あとは放っておくくらいでちょうどいいでしょう。風とおしのいい嫁姑関係の基本は「スルー」です!

 

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三松真由美

恋人・夫婦仲相談所所長。カップル不仲の原因を「性」を通して考えるセックスレス改善専門家。会員1万3000人を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」を運営し、夫婦仲の改善、セックスレス対処法ED予防法を真剣に考える夫婦仲コメンテーター。的確なアドバイスにファンが多く、マスコミ取材や、講演多数。『「君とはもうできない」と言われまして』(KADOKAWA)など著書多数。 https://fufunaka.com/
三松真由美

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