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「手づくり化粧品」を試してみたら すっぴんに自信、の予感

いつも後回しだった自分を、手づくりコスメでいたわる

特集 春こそ、人生に祝福を! 2021.4.19

文:依田邦代

白髪染めをせずに、自分のありのままの髪色を活かしたヘアスタイルであるグレイヘアを発信している、フリーランスの編集者の依田邦代さん。依田さんがグレイヘアの魅力に気づいたのは、50代後半を迎えたときのこと。ケミカルな白髪染めやヘナで頭皮が荒れ、頭皮の不快感が絶えなかったと語ります。

グレイヘアである自分を前向きに受け入れることで、見た目だけでなく、気持ちもナチュラルになった——そう語る依田さんが最近トライされたのが、「手づくりコスメ」です。ヘアケアや食事と同様、肌もケミカルなものは避けて、ナチュラルなものを使用したい。でも、スキンケア化粧品をつくるのはめんどくさそう。依田さんが、そんな葛藤を抱きながら挑戦した「手づくりコスメ体験」を綴っていただきました。

▼書いた人

▼依田さんにグレイヘアについて語っていただいた記事はこちら
編集者・依田邦代さん「グレイヘアは今の自分を肯定する生き方のあかし」

 

内側からも外側からもきれいになりたい

 

60代、健康を意識するようになって、食品の添加物が気になり始めました。スーパーでパッケージの裏を見ると、亜硝酸ナトリウムとかアスパルテーム、グリシンなど聞きなれない添加物名が。調べてみると、発がん性が疑われるなど、結構、危険なものもありそうなので、それ以降、できるだけ合成添加物が入っていないものを選ぶようになりました。

「体は食べたものでつくられる」から、最近では添加物や農薬、糖質、グルテンなど、いろいろ気にする人が増えています。では、肌につける化粧品は? ある日、スキンケアしながらふと思いました。「食べ物で内側からのインナービューティーに気をつけるのなら、外側からの化粧品にも気をつけたほうがいいのでは?」と。容器を裏返して見てみると、パラベン、ラウリル酸ナトリウム、安息香酸ナトリウムなど、こちらも聞きなれない化学成分の表示が。化粧品の有害物質は皮膚から吸収され、蓄積することでアレルギーや病気の原因になることがある、と聞いたことがあります。

化粧品に関して、今まで無頓着すぎたのかもしれません。食べ物を変えたことで体調がよくなったように、化粧品の成分に気をつければ、肌の調子がよくなる可能性もあるわけです。50代以降、ケミカルな成分に反応することが増え、肌に合わない化粧品やシャンプー、白髪染めでピリピリしたり、腫れたりすることがありました。また最近、肌の乾燥が半端なく、くすみやシワ、シミ、たるみといった肌の不調も気になってはいましたが、加齢のせいとあきらめていました。そんな私の心にポッと希望の灯がともりました。

 

手づくり化粧品という選択肢があった

 

化学的な添加物の入っていない化粧品というと、いわゆる自然派化粧品とか、植物由来と謳っているものなのか? インターネットで検索していた私の目に「手づくりコスメ」という文字が飛び込んできました。

手づくりコスメ」?

化粧品とは買うもので、自分でつくるという発想はまったくなかった私にとって未知の言葉でした。「どういうこと?」と調べてみると、ベースとなる素材に有効成分の入ったオイルやパウダーを加えてスキンケア化粧品をつくるらしい……。

イマイチ、ピンとこなかったのですが、食べ物に例えてみると合点がいきました。たとえば、手づくり味噌の材料は大豆と食塩と麹だけ。ですが、市販の味噌には、保存料のソルビン酸、漂白剤の次亜塩素酸ナトリウム、着色のためのビタミンB2、化学調味料のアミノ酸、熟成を止める酒精(アルコール)などが添加されていることがあります。

それは工場で大量に安くつくって全国に流通させ、長いあいだ、店頭に並べる必要があるからです。化粧品も似ています。品質が劣化しないように保存料が、そして着色料や香料や、成分が分離しないための界面活性剤などが入っていることが多いのです。でも、それは仕方ないのだと思っていました。ところが、手づくりなら仕方なくない!? 目からウロコの瞬間でした。

さらに検索すると、NZ(ニュージーランド)の「リンガリンガソープ」という手づくり石けんや手づくり化粧品のブランドに出合いました。「リンガリンガ」とはNZの先住民族マオリ族の言葉で「手」という意味。「自分の手で自分のために自分にぴったりな化粧品をつくることができるブランド」なのだそうです。結婚を機にNZのオークランドへ移り住んだ矢野あずささんという女性が、自らの肌の不調に悩んでいたとき出合った手づくり石けんや化粧品に衝撃を受け、2001年に始めたブランドでした。俄然、興味が湧き、早速、年齢肌に効きそうな「魔法のクリーム」と「ブルガリアンローズの美白・修復パック」の手づくりキットを注文。約1週間で手元に届きました。

魔法のクリーム(税込5600円)
https://ringaringa.net/shop/set/skincare_cream/magiccream/%5B/caption%5D

Skin Resetter(ブルガリアンローズの美白・修復パック)(税込4800円)
https://ringaringa.net/shop/set/skincare_serum/rosepack/%5B/caption%5D

 

つくってみたら意外と簡単。クセになりそう

 

「よしっ!」と気合十分で袋を開封したのですが、セットされている素材一式を説明書通りに混ぜるだけなので、あっという間に完成。気が抜けるほど簡単でした。手づくり化粧品でハードルとなるのは、「面倒」ということだと思います。完成品を買えばすむのに、なぜわざわざつくらなくてはならないの? という。

また味噌の話で恐縮ですが、手づくり味噌も、はじめはとても面倒に思えたのですが、やってみると意外なほど簡単。これは体験者のほとんどが口を揃える感想です。今は材料セットも販売されているので、その大豆を煮て麹と塩を混ぜるだけ。一度、体験すれば「なーんだ」というあっけなさ。そして、そのおいしさを知ってしまうと、添加物の入った市販の味噌に戻れなくなります。まさに化粧品も同じでした。

「魔法のクリーム」の場合はこうでした。まず、ナイトクリームベースという植物性素材たっぷりのベースクリームに有効成分のビタミンC誘導体パウダーMAPとコエンザイムQ10リポソームコーティング、海藻コラーゲン、セラミド、プリンセスネロリ(ネロリの精油に数種類の精油を配合したもの)を混ぜるだけ。それぞれ適量がセットされているので、計量の必要もありません。混ぜるためのヘラや精油を加えるピペットも入っています。期限内に使い切るために製作日を記入するラベルまでついていて、至れり尽くせりのセットでした

魔法のクリーム(税込5600円)
https://ringaringa.net/shop/set/skincare_cream/magiccream/%5B/caption%5D

魔法のクリーム(税込5600円)
https://ringaringa.net/shop/set/skincare_cream/magiccream/%5B/caption%5D

 

ちょっと贅沢くらいが、今の私たちにちょうどいい

 

安全で肌に効く成分だけが入った、つくりたての化粧品を使える安心感。癒しの香りも、合成香料ではなくピュアな精油です。使っているときの気分が上がるだけでなく、翌朝の肌はもっちりと弾力があり、しっとり潤っていました。この満足感を味わってしまうと、もう元には戻れない感じです

値段は決して安くはありませんが、有効成分の含有量を考えれば、コスパはいいと思えます。今まで、がんばって仕事や子育て、家事をこなしてきた自分へのご褒美として、これくらいいいんじゃない? と思えます。いつも後回しだった自分をいたわることができるようになった今、そんな今の私たちにふさわしい化粧品に出合ってしまった気がしています

 

依田邦代さんによるリンガリンガソープの矢野あずささんの取材の様子は、こちらで読めます!

企業情報
リンガリンガソープ
ニュージーランドの主要都市・オークランド発のナチュラルコスメショップ。手づくりコスメやハーブティー、アロマセラピー、フラワーエッセンス、手づくり石けんを取り入れたナチュラル生活を提案する。 https://ringaringa.net/

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依田邦代

編集者。1958年生まれ。1981年主婦の友社入社。雑誌編集長などを経て、書籍編集者に。『パリマダム グレイヘア スタイル』や『グレイヘアという選択』(ともに主婦の友社)など、シニア女性のライフスタイルにフォーカスした数々のヒット本を手掛ける。
依田邦代

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