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輝く女性を美しく彩る——「春色のシンフォニー展」

奥深いコスチュームジュエリーの世界

特集 輝き続ける女性たち 2021.5.05

文:関根孝美

洋服をデザインで選ぶように、ジュエリーもデザインで選びたい。
「でも、ジュエリーって高いし……」と思っているあなた。コスチュームジュエリーで、いつもの装いに彩りを加えてみてはいかがでしょうか。

模造宝石やビーズを使ったコスチュームジュエリーを手掛ける8名の作家による合同展示会、「春のシンフォニー展」に行ってきました。

 

コスチュームジュエリーの世界をのぞいてみませんか

 

みなさんは、ジュエリーと言われてまず何を思い浮かべますか?
ダイヤモンド、サファイア、トパーズ……漠然と宝石の名前が出てくる、という方が多いのではないでしょうか。服を選ぶときにはまずデザインを重視して、次に素材を確認することが多いのに、ジュエリーはまず石の種類から確認してしまう……そう考えると、不思議ですよね。

ジュエリーだって、まずはデザイン。高価な石や金属でなくっていい、いつもの洋服に合うかわいいジュエリーをつけたい!

そう思っていたところに出会ったのが、「春色のシンフォニー展」の「コスチュームジュエリー」です。

「コスチュームジュエリーとは、装う人・服ともっとも美しく調和しながらも、素晴らしい存在感で人々を魅了するアクセサリーのことなんです」

そう教えてくれたのは、コスチュームジュエリーデザイナーで「春色のシンフォニー展」リーダーの浅井美恵子さん。
コスチュームジュエリーは、宝石ではなく、模造宝石やビーズを主としてつくられているのが特徴です。

展示会リーダー・浅井美恵子さんがつくったコスチュームジュエリー

浅井さんは、コスチュームジュエリーデザイナーになって10年。この展示会は、コスチュームジュエリーの第一人者・渡辺マリさん主催のゼミの1期生の方々の作品が展示されています。
展示スペースに所狭しと並べられたコスチュームジュエリーたち。そのデザインは、かわいらしいものからシックなものまで。オリジナリティに富んだアクセサリーたちはひとつひとつがとても魅力的で、思わず見惚れてしまいました。

展示スペースに入ってまず目を惹かれたのが、この藍色の花があしらわれた大ぶりなネックレスです。

宮本なみ子《藍の華》

光をまとって佇むその姿には繊細な美しさがあり、それでいて圧倒的な存在感がありました。

展示されている作品は、自由に触ってもいいとのことで、私も手に取って見てみました。
手に取ってみるとやわらかく、やさしい質感です。
目を凝らしてよく見てみると、細かなビーズが組み合わさって構成されていることがわかります。
「それは『藍の華』を表現しているんですよ」と作者の宮本さん。

みなさんは、「藍染め」をご存知でしょうか。
藍染めとは、その名の通り藍を使用した染料技法のことです。藍は人類最古の染料ともいわれていて、紀元前から世界各地で用いられていたとする説もあります。
1500年前に中国から伝来して依頼、日本でも広く親しまれました。
その藍染めの染料をつくる過程で藍を発酵させるのですが、発酵の証として、水面に気泡、通称「藍の華」が発生するそうです。

「藍の華」を表現するために40種類もの青色のビーズが使用されていることでこの美しさが存在しているのだと思うと、感動せずにはいられません。
さらに、花柱の部分にはほかよりも硬いワイヤーを用いた点も宮本さんの一押しポイント。しゃんと伸びた花柱が、みずみずしい生命感を演出していました。
つくり手のこだわりに触れることができるのも、展示会の魅力の1つですね。

 

和装にもぴったり! 着物にも映えるジュエリーたち

 

作家さんのお話を聞きながら展示スペースの奥に進んでいくと、なにやら和風な一角が。
着物に合わせるための帯留めや櫛かんざしが並んでいました。

帯留めがたくさん! 和装に映えそうです

和小物好きの私、にこにこです。

特に、歌舞伎「連獅子」をイメージしたネックレスとイヤリングがとても鮮やか。

川島宏子《歌舞伎連獅子》のネックレス
川島宏子《歌舞伎連獅子》のイヤリング

獅子を演じる役者が長い髪を大きく振り回すシーンが思い起こされます。
「ジュエリーを合わせるのはドレス」という思い込みを見事に覆されました。
デザイン性を楽しむことをモットーとしたコスチュームジュエリー。先ほどの藍染めや、工芸品、歌舞伎など、日本の伝統文化からも着想を得ているんだな……と、作家のみなさんのセンスに敬服です。

春色のシンフォニー展では、その場でジュエリーを購入することもできます。
作家さんと談笑しながら展示してあるジュエリーを試着し、お気に入りのジュエリーを持って帰る……みなさん、笑顔で会場をあとにされていました

身につけると気持ちが高まるコスチュームジュエリー。手に取った瞬間からその役目を果たしているようです。

本記事で紹介した「春色のシンフォニー展」は4月17日(土)で会期終了していますが、5月以降も各所で展示が行われる予定です。都内では6月にも銀座で「コスチュームジュエリー~7名の作家展~」が開催されます。
実際に手に取るとより一層コスチュームジュエリーの魅力を感じられるので、ぜひみなさんも足を運んでみてください。

 

▼展覧会情報

い・ろ・ど・り展
会場:鎌倉 雪ノ下画廊
会期:2021年6月10日(木)~6月13日(日)
開催時間:10:00~18:00※
休館日:会期中無休
最寄り駅:鎌倉駅
※最終日のみ16:00まで

 

コスチュームジュエリー~7名の作家展~
会場:STAGE銀座
会期:2021年6月13日(日)~6月19日(土)
開催時間:11:00~19:00※
休館日:会期中無休
最寄り駅:新橋駅、銀座駅
HP: https://stage-ginza.com/
※初日のみ13:00から
※最終日のみ15:00まで

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