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野草でエネルギッシュな食卓づくり

春に採れる野草を料理してみました!

特集 春こそ、人生に祝福を! 2021.4.28

取材・文:出口夢々

寒い冬を越えて、土から顔を出す春の野草。その姿は「力強い」の一言です! 日々の食卓に野草を取り入れて、自然のエネルギーを感じてみませんか。
『野の花えほん』(あすなろ書房)『野の花ごはん』(白泉社)など、野草に関する絵本を手がけている、絵本作家で翻訳家の前田まゆみさんに話を伺いました。

▼お話を伺った人

 

野草を食べることで得られる「自然との一体感」

 

——『野の花えほん』(あすなろ書房)『野の花ごはん』(白泉社)など、野草に関する絵本を手がけられている前田さんですが、野草に興味を持ったきっかけは何だったんですか?

前田:最初は絵のモチーフとして野草を探していたんです。そして、探しながら図鑑などで野草について調べていたら、食べられるとわかって。そもそも、私、道端に生えているツツジの花の蜜を舐めていたりしていて(笑)、野草も「身近な食べ物」として抵抗なく食べるようになりました。野草を食べると、野原を食べているような自然との一体感があるんです。自分の食べるものを自分で採るのは、生きる営みの基本だと気づかされました。

それからは、野草の生えているスポットを把握するようになったりして。「西洋たんぽぽならこの空き地」「のびるならこの公園」と目星をつけておいて、採りに行くんです。ですが自然のものなので、あてにしていた場所で不意に採れなくなることもあります。そんな出来事も含めて、「自然のなかで生きているんだな」と感じますね。

 

アクの強いものは火に通して!

 

——春に採れる野草では何が好きですか?

前田西洋たんぽぽです。これ、侮れないおいしさですよ!(笑)。やわらかそうな葉をサラダにしたり、レタスのようにサンドイッチに挟むとおいしいです。今では公園や道端など、どこにでも自生している野草で、そのまま食べるイメージはないかもしれませんが、元々、西洋たんぽぽは明治時代にサラダ用の野菜としてフランスから入ってきたものなんです。

道端でよく見かける西洋たんぽぽ

前田チコリやカイワレ大根のように、ほのかな苦味があります。固い土の上に生えた、見るからに “たくましそう!” と感じさせるような葉はアクが強いので避けましょう。やわらかそうな土の上で育っている、新しくてやわらかそうな葉を摘むようにしてみてください。それでも念の為、30分ほど水にさらすと食べやすくなると思います。

サラダとして楽しむときは、家にある野菜を合わせるといいです。何でも合うんですよ。先日は、きゅうりやトマト、カイワレ大根、ブロッコリーと一緒にサラダにしました。味つけは、オリーブオイルと塩、胡椒、酢でシンプルにいただくことが多いですね。サンドイッチにするときには、ローストチキンなどのタンパク質と一緒にサンドするとおいしいですよ。

前田さんにお話を伺ったあと、おいしそうだと思い、編集部・出口も野草料理に挑戦してみました! 写真は、西洋たんぽぽの葉と蒸し鶏のサラダ。鼻から抜ける西洋たんぽぽの香りに野の花の力強さを感じます!

前田ほかにも、春の野草ではカラスノエンドウもおすすめですよ。これはえんどう豆の原種で、西アジアから入ってきたと言われています。豆はグリーンピースのような味がしますよ。若くやわらかい葉は炒めたり、天ぷらにするとおいしいです。こちらは豆苗のような味ですね。豆も葉もアクがあるので、火を通してください。塩茹ですると赤茶色のアクが出てきます。

続いて編集部・出口がつくったカラスノエンドウと卵の炒め物。味は豆苗そのもの! 塩胡椒と薄口醤油で十分に味が引き立ちます。

前田それから、のびるも春に採れるおいしい野草ですね
“ニンニク” のようなかたちをした球根の部分を茹でて、酢味噌で和えるとおいしいんです。また、茹でた球根と葉を刻み、クリームチーズと混ぜてもおいしい。甘く炊いてもおいしいですし。のびるの花の先端になる「むかご」は、甘酢漬けにしてスモークサーモンの付け合わせにして食べれますしね。

編集部・出口がつくったのびるのクリームチーズ和え。のびるのピリッとした辛さがアクセントに。球根部分の食感も楽しいです!

——西洋たんぽぽもカラスノエンドウものびるも、日々の生活で見かけることの多い野草ですね。それらを「食べよう」と思うと見方も変わりますし、外の自然に触れる機会も多くなりますね。

前田:自然と一緒に生きている感覚が強くなりますよね。と、ここまで野草の魅力を伝えてきましたが、野草には毒のある「毒草」もあるので注意してください。年に数回ですが、死亡事故も発生していますしね。先ほど紹介したのびるは、水仙と間違われやすい野草です。西洋たんぽぽもクサノオウというケシ科の植物と間違えやすいです。なので、花を見てから摘むようにしてください。葉だけでは見分けがつけなくても、花を見ると一目瞭然。野草を摘むのは楽しいですが、「毒を持つ野草もある」と肝に銘じておいてくださいね。

——私も野草料理に挑戦してみます!

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前田まゆみ

絵本作家 翻訳家。神戸市生まれ、京都市在住。著書に「野の花えほん」(あすなろ書房)「野の花ごはん」(白泉社)、「ライオンのプライド 探偵になるクマ 集まると楽しくなる英語の集合名詞えほん」、「幸せの鍵が見つかる 世界の美しいことば」(創元社)など。翻訳書に「翻訳できない世界のことば」などがある。
前田まゆみ