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グッドエイジスタイリスト・花本幸枝の「輝き方」

60歳——足し算ファッションで気分が上がる!

特集 輝き続ける女性たち 2021.5.24

取材・文:花塚水結

「『飾りすぎないファッション』は50代まで。60歳からのファッションは、足し算を楽しんでほしい!」

長年、ファッション業界で働いてきたこともあり、ファッションが大好きだという花本幸枝さん。雑誌『素敵なあの人』(宝島社)では「おしゃれの方法論」を連載し、自身が歳を重ねたからこそ気づいたという「60代が輝くファッション」を発信し続けています。そんな、花本さんが輝くためのアイテムや1日の過ごし方をご紹介します。

 

歳を重ねて気づいた「60代が輝くファッション」

 

——今の生活の中心になっているものとは、どんなことですか?

花本ファッションですね。おしゃれをするのも大好きだし、60歳の私と同世代のみなさんにもおしゃれを楽しんで元気になってほしいなと思って、毎日ブログで発信しているんですよ。長年、ファッション業界で働いてきたから、常にファッション中心の人生だったけど、シニア世代に向けてのファッションを考えるようになったのは、ここ4年ほどなんです。

——なぜシニア世代に向けたファッションを考えるようになったのでしょうか?

花本:きっかけは、母ですね。4年前、母が79歳のとき、くも膜下出血で倒れて手術をしたんです。幸いにも命は助かりましたが、自宅で生活するのが厳しくなり、施設に入ってもらいました。「自宅で生活したい」と思っていた母なので、とても怒ってしまって。

それでも仕方ないので、施設に入るときに洋服を届けに行ったんです。施設の収納スペースは限られているので、私がいくつかコーディネートして持って行って、「お母さん、これ持ってきたから、これとこれを合わせて着てね」と言って。そうしたら、あんなに怒っていた母の顔が急にやわらいだんです。

そのとき、「女性は、いくつになってもおしゃれをすると元気になるんだ!」と思ったんですよね。サプリメントとかに頼らなくても、元気でいられるんじゃないかな、って。そこからシニア世代に向けてのファッションを考えるようになりました。

——お母様がきっかけだったのですね。4月9日に公開させていただいた「スタイリスト・花本幸枝が教える! 60代を素敵に魅せる+1アイテム」では、60代からのファッションは、「白」や「足し算」が大事だとおっしゃっていましたよね。

花本:本当にそうなんです。歳を重ねると、どうしてもシワやシミが出てきて影ができてしまうのですが、白い洋服や、顔まわりにアクセサリーを1つ持ってくるだけで、顔がとても明るく見える。意外とこういうテクニックって知られていないんですよね。

講演会などをさせていただくと、「もう歳だから飾りすぎちゃいけない」と思っている方が多いのですが、「飾りすぎないファッション」は50代まで。60歳からはアクセサリーを1つ足したり、いつもより鮮やかな色の口紅を塗ったり……足し算を楽しんでほしいんです。それはやっぱり、自分自身がこの歳になってわかりました

花本さんのコーディネート例1
花本さん流この夏に着たいコーディネート例1。パイピングジャケット/リサイクルショップ Tシャツ/ユニクロ パンツ/GU スニーカー/ZARA バック/インポート(すべて花本さんの私物)

——前述記事での取材のときもそうでしたが、今のファッションを心から楽しんでいらっしゃるなぁと感じました。普段のコーディネートを決める際、何を大切にしていますか?

花本:その日の天気と予定、気分、バランスですかね。
やっぱり洋服の一番の機能は体をプロテクトして、居心地よくいるためのものですから、天気や予定は一番に考えています。たとえば、雨が降っていたらレインブーツ、一日中歩きまわる予定があるならスニーカーとか。無理してヒールを履いたりはしないです。

そうやって何かアイテムが1つ決まったら、それに合う洋服を気分によって選びますね。前もってコーディネートを決めることもあるんですけど、当日になると気分が変わっていてほぼ着ないんです(笑)。ファッションは自分の気持ちをとても反映しているものだと思うので、その日に「着たい!」と思った洋服を選びます

後は全体のバランスですね。大きな姿見から1.5mくらい離れて全体を見たときに、違和感がなければOK。どこか違和感を感じるなぁ、と思うときは、その部分だけを変えています。

花本さんのコーディネート例2
花本さん流この夏に着たいコーディネート例2。ノースリーブ/楽天市場 アクセサリー、ストール、サングラス、バック/メルカリ サンダル/海外通販(すべて花本さんの私物)

——「着たい!」と思って、すぐに決められるのがすごいです……! 私、迷いすぎて納得できないまま外出することも結構あるんですよね。

花本:いやいや、私も迷って頭のなかがグチャグチャになることもありますよ(笑)。なので、日頃から鉄板コーディネートを3パターンくらい持っておいて、悩んだらそのなかから選ぶようにしています。人生であと何回おしゃれして出かけられるのかわからないから、いつも納得するコーディネートで出かけたい! と思っているので(笑)

 

身体の細部に手をかけておしゃれを楽しむ!

 

花本:ファッションについて話してきましたけど、どんな洋服を着ていても大事なのはヘアスタイルだと思っているんです

——おしゃれは洋服だけではない、と。

花本:はい。歳を重ねると、どうしても髪のボリュームがへたってきちゃうんですよね。そうすると貧相に見えてしまうので、とにかくボリュームと艶感を重視して、このアイテムを使っています

花本さんの私物

花本:HARUのシャンプーと、椿油ですね。
HARUのシャンプーはオールインワンのノンシリコンタイプで、すごくボリュームが残るんです。リンスをすると、髪が落ち着いてボリューム出なくなっちゃいますから。
でも、リンスなしだとパサツキが出てしまうので、タオルドライしたあとに椿油を塗っています。そうすると、次の日もセットせずに出かけられるようになっていますね。

——ヘアスタイルも含めて全身のバランスということなんですね。それから、ブログなどでも拝見していますがネイルがいつもきれいだなと思っていて!

花本:ありがとうございます(笑)。指先がツヤツヤだと手をかけているように見えるので、基本的にいつもジェルネイルをしています。でも、せっかくジェルネイルをしていても、爪の輪郭がカサカサしているとささくれちゃって残念な感じになってしまうので、必ずネイルオイルを持ち歩いているんです。

花本:特にOPIのネイルオイルは、1回塗れば1日持つので、重宝していますね。

 

ひと手間かける “白湯” 習慣

 

——気になるのが「お白湯を飲む」。毎日飲まれていらっしゃるんですか?

花本:はい。朝起きたら必ず南部鉄瓶でお湯を沸かして、お白湯を飲むのを習慣にしているんです。とてもほっとしますよ。

昨年、ステイホームが推奨されるようになってから南部鉄瓶を買ったんですけど、普通に沸かしたお白湯とは違う気がして(笑)。ちょっと甘く感じるんですよね。昨年買ったもので一番気に入っています

花本さんの私物

——ひと手間かける習慣が素敵ですね。現在もファッションのお仕事をされていらっしゃいますが、日々の息抜きはどうされていますか?

花本:花が大好きで、見るとリフレッシュになるので、常に家には置いています。トイレにも絶対花を置いておきたいなと思うので、週に一度は近所の花屋に買いに行っているんです。

花本:仕事でつまづいているときなんかは、どっさり花を買ってきて、飾っているんです。花を置いていると部屋の空気が変わる気がして、すごく気分転換になりますよ。

——好きなものが身のまわりにあると、テンションも上がりますよね。

花本:そうですよね。それから、仕事の息抜きというと、カフェオレが飲みたくなります。朝はお白湯を飲むけど、やっぱり仕事のときにはカフェインが欲しくなっちゃうんですよね。

私が一番カフェインが強くて好きなのが、コストコ(米国に本社がある会員制の小売店)のカフェラテ。たまにドライブしつつ買い出しに行くんですけど、あのカフェオレに勝てるものはないなぁと思います(笑)

何をするにも、1つひとつ理由があったほうがいいなと思うんです。わざわざ南部鉄瓶を買わなくてもケトルがあれば簡単にお湯を沸かせますし、近所のスーパーにもカフェラテは売っています。でも、少し手間をかけるだけで、その分、ちゃんと気分が上がったり、よりよく過ごせたりしますから

 

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