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聞いてください!「書籍編集者の本への思い」

「本が好き」な少女が編集者になりました

連載 本の書き方、つくり方 2021.3.25

文:出口夢々

自費出版で自伝を出したいけど、どうしよう……と迷っている、そこのあなた! 一度、ZIEL編集部員の「本への思い」を聞いてください!! アシスタント時代を含め、書籍編集者として4年働いた出口が、本への思いを語らせていただきました。

 

物語に魅了された小学生

 

私が本と出会ったのは6歳のときのこと。近所のおばさんからもらった『トム・ソーヤの冒険』を何度も繰り返し読んでいたのを覚えています。もちろん、もっと幼いころから絵本を読んだり、図書館の読み聞かせ会に参加していたのですが、自発的に本を読むようになったのは『トム・ソーヤの冒険』がはじめてだったのです。

日本ではない場所で、私と年齢の近い男の子が果敢に冒険をしている——。当時、人見知りで、なかなかまわりの子たちと馴染めなかった私は、トムの勇気のある姿にとても励まされました

それから「青い鳥文庫」にハマって『名探偵夢水清志郎事件ノート/名探偵夢水清志郎の事件簿』や『若おかみは小学生!』を読み漁り、中校生になると「シャーロック・ホームズ」シリーズや松本清張の作品を読み漁っていました。高校生のころには、上橋菜穂子の「獣の奏者」シリーズをどうしても一気に読み切りたくて、学校を休んだことも……(笑)。

家のまわりには畑しかなく、一番近いコンビニは家から歩いて30分、という環境で育った私にとって、本は手軽に「ここではないどこか」へ行けるツールでした。本を開いた瞬間、脳内が一気に物語に引き込まれる感覚も好きでした。友人関係で悩んだとき、受験勉強に行き詰まったときなど、現実逃避をしたいときは、いつも本を開いていたような気がします。

 

「本が好き」その一心で編集者に

 

そんな私が大学で選んだ専攻は「フランス文学」。ひとえにフランスを舞台にした物語でも、時代や土地によって描かれる内容が変わったり、階級によって言葉遣いが変わったりするのが新鮮で、そこに広がっている “未知の世界” に惹きつけられました。何より、フランス語で紡がれる物語のあまりの美しさに魅了され、しまいには、フランスへ2度も留学するほど、フランス文学の虜になっていました。フランスで学んだのは、もちろん文学。向こうの授業のレベルは日本の大学と比べ物にならないほど高く、使いこなせていないフランス語で授業を受けるのは大変でしたが、とても充実した日々を過ごせました。

そして、大学卒業後に選んだ仕事が「本の編集者」です。「大好きな本がつくられる過程に携わりたい」「世の中が求めている本をつくりたい」——その思いの核にあるのは、『トム・ソーヤの冒険』を読んでいた6歳の自分なのだと思います

文学やノンフィクション、ビジネスと、ジャンルは違えど、1冊の本が「誰かを救う」と信じています。そして、私も『トム・ソーヤの冒険』に救われたように、私が携わった本が誰かを救ってほしい、そんな思いで本づくりをさせてもらっています。

書籍の編集者って何をしている人なの?」という記事でも述べましたが、本づくりは楽しい作業ばかりではありません。自伝を書くにあたって、自分の人生を振り返り、それを1つ1つ言葉にしていく作業は、ときに苦しさを覚えるでしょう。でも、きっと、その苦しさは本づくりへの真摯な気持ちの裏側にあるのだと思います。よりよい1冊にしたいから、悩み、苦しむ。

その悩みや苦しみは、著者1人でも解決できるかもしれません。ですが、本づくりのプロである編集者と2人で立ち向かえば、よりよい解決策が見出せると思います。そして、私自身、編集者として、著者と一緒によりよい1冊をつくりたいと思っています

「本が好き」。たったそれだけの思いで、編集者になった私。ですが、「本が好き」だからこそ、より真摯に本づくりに向き合えていると自負しています。

本をつくってみたい、今書いている原稿を本にしたい——そう思っている方は、ぜひ一度、コメント欄に連絡してください。どんな本にしていくか、一緒に話し合いましょう!

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